ハーメルン
地球防衛軍戦記
第二次火星沖海戦

宇宙空間を数十発のミサイルがガミラス艦隊に向けて飛翔する。
このミサイルは第一次火星沖海戦により発生した大量のデブリ群を背にしたサラミス級10隻から放たれたものであった。
そのミサイルは35隻からなるガミラス艦隊に命中し、クリピテラ級駆逐艦3隻を撃沈した。

だが攻撃を開始した地球艦隊であったが一つだけ疑問点があった。それは旗艦と思われる超弩級戦艦(ガイデロール級)がガミラス艦隊に確認されておらず、今攻撃している艦隊が囮ではないのかという疑問であった。だが艦隊司令部は作戦を強行したのである。これは転生者達にとっても賭けであった。とある二次創作の様に指揮官がシュルツではないということに対しての。

そして実際に賭けは成功していたのだった。この時、ガミラス艦隊を指揮していたのは地球侵攻司令のシュルツでは無く、たまたま前線視察に来ていた視察将校であったためであった。

この将校はシュルツが地球攻略に対して時間の掛かる遊星爆弾での攻撃を行っていることに対して不信感を持っていた。そして、そんな時に地球艦隊出撃の一報が入ると視察将校は権限でシュルツから指揮権を停止すると出撃可能な艦艇をすべて指揮下に置き火星沖に出撃したのであった。だがこうした事情がガミラス側にあったのだが地球側は知る由もなかった。


火星沖

「ミサイル全弾命中。敵駆逐艦3隻撃沈」

陽動部隊旗艦サラミス級ボイシの艦橋ではオペレーターが報告を行っていた。それに対して艦長兼指揮官であるリチャード准将は空かさず命令を出す。

「直ちにミサイル第二弾発射。撃ち尽くすつもりで撃て!それと主砲発射用意、何が何でも奴らを我々に釘付けにしろ!」

そうリチャード准将は叱責するように部下に言うが、それに対し部下は嫌な顔一つせず元気に「了解!」と返すだけであった。

これまで国連宇宙海軍内でも一番下に見られていた自分達が活躍できる機会なのだ、地球圏艦隊の将兵は誰もこの戦いで戦死することを恐れていなかった。尤も死ぬ気は誰も持ってはいなかったが。

そしてサラミス級10隻のVLSや艦首ミサイル発射管からは次々とミサイルがガミラス艦隊に向けて発射されていった。一方のガミラス艦隊の動きは鈍かった。理由は艦隊を指揮している視察将校が実戦経験に乏しく、さらに相対している艦艇がガミラス側の識別表になかった為であった。そのためガミラス艦隊が行動を開始したのはミサイル第二射によりクリピテラ級駆逐艦4隻が撃沈されてからであった。そして行動を開始したガミラス艦隊は陽動部隊めがけて突撃を開始した。

「ガミラス艦隊突撃してきます!」

ボイシ艦橋でオペレーターがそう叫ぶ。それを聞いたリチャード准将は「全艦反転180度、全艦全速でデブリ群に飛び込め!」と命令した。

こうして陽動部隊は反転し、各艦の後部主砲からメガ粒子砲を撃ちながら全速でデブリ群に飛び込んでいった。そしてガミラス艦隊も陽動部隊を追撃しデブリ群に飛び込んでいく。するとデブリ群に突入した直後、ガミラス艦隊後方にコロンブス級軽空母2隻から発艦した航空機28機が襲い掛かり駆逐艦1隻と巡洋艦(ケルカピア級)1隻に攻撃を仕掛け此れを撃沈した。この攻撃によりガミラス艦隊は混乱し隊列が乱れることになった。

しかしそれでもガミラス艦隊は陽動部隊を追撃し続けた。その為ガミラス艦隊の隊列は長く伸びていった。そして隊列が伸びきった時、3本の青い筋が飛来し艦隊最前部にいたクリピテラ級を一撃で撃沈した。

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