航海日記15 交戦
「制圧を完了した」
「ん、急いで合流地点に向かう。護衛対象の容体が心配」
「そうだね。人間は我々と違って脆弱な存在だから」
「肯定」
故に、403とハルナは追手を振り切るため、できる限り最速で合流地点の廃港に向かう。
森を抜け、街中に入ってしまえば、陸軍も民間人の誤射を恐れて追ってこないからだ。
たとえ霧に対抗できる千早群像に追撃命令が下ったとしても、それは難しいところであろう。
いくら大戦艦二隻を沈めたとはいえ、401も無傷で済まなかった。それがキリシマ、ハルナとの戦闘を終始目撃していた403の正直な感想だった。
恐らく補給と整備すらままならず、代替品で補っているのは想像に難くない。ましてヒュウガに続いてタカオからキリシマ、ハルナと連戦続き。浸食弾頭の手持ちだって少なく、仮に所有していたとしても数発が関の山だろう。
追撃されたところで、こちらは400と403の二隻だ。片方を囮に逃げ切れば問題ない。
未だ"こちら"と通じている躯体によれば、千早群像は硫黄島で整備を受けるかもしれないとの事だった。
こうして霧の艦隊は、まんまと人類の秘密兵器である振動弾頭の開発者を捕らえたのであった。
すべては異邦の船に対抗するために。
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