いい性格してるよな
テキサス。この名前を聞いて人が連想するものは主に二つ。
ひとつは龍門の厄介者、ペンギン急便のトランスポーターであり、前に出て敵を切り裂くループスである女。
そしてもう一つはかつて隆盛を極め、既に滅びたテキサス家だ。
テキサス、その名前はあいつの出身地、クルビア──特に、シチリアマフィア共にとっては畏怖の対象だ。詳しいことをテキサスから聞いたわけじゃねぇ。だが、そんな俺でも知っている名前だった。
クルビアという地域は、この世界にしては珍しく鉱石病に対する偏見や差別がない。それどころか、源石を武器に利用するようで、代表的なものでいうと、テキサスの持つ源石剣がそれだ。
テキサス家は大きな一家だ。シチリアマフィアを震撼させ、世界を股にかけた商人の一家。表のアレコレから裏のヤクまで、一時期は大層な一家だったようだが……当主の暗殺をもって、何者かによって崩壊させられた。
いや、正確には当主だけではない。テキサス家は滅びた。こういった方が正しい。テキサスを遺した全員が殺され、家は焼かれ、会社は乗っ取られ……。テキサスが生き残ったのは運が良かったとしか言いようがない。本当ならとっくの昔に殺されてんだ。テキサスは。
そして、遺された者がなにを考えるか……テキサスが考えたのは、復讐だった。
詳しいことは本人から聞いたわけではないから知らないが、相当やんちゃしていたらしい。違法カルテルは皆殺し、復讐の相手に関する情報を持っている人間が居れば尋問した上で殺し……。相棒がそういうタイプだったのもあるが、今のテキサスとはかけ離れている。
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