ハーメルン
レベルアップで世界最強
プロローグ
南雲ハジメは土下座した。悪いのは相手だが、勝てないからだ。
情けないと笑いたければ笑え。嘲笑が目の前の男達だけでなく、周りを歩いていた一般人からも向けられていることに気づいてるが、それで後ろの子供と老人が助かるなら安いものだ。男達は馬鹿らしくなったのか去っていく。と、その時だった……
お知らせ
シークレットクエスト
『無力な者の勇気』の
条件をすべてクリアしました
と、謎の電子音と共に視界に半透明の板が映る。まるでゲーム画面のようだ。周りをキョロキョロ見ても、誰も反応していない。
なんだろう、これ?
帰って父と母に相談してみた。やはり見えないようだが、滅茶苦茶面白がってた。ステイタスは見れるのかと聞かれ、確認してみる。
名前∶南雲 ハジメ レベル∶1
職業∶なし 疲労度∶0
称号∶なし
HP∶100
──
MP∶10
────────────────
筋力∶10 体力∶10
速度∶10 知能∶10
感覚∶10
────────────────
分配可能ポイント∶0
レベルはまあ、当然1。ステイタスは多分平均値だろう。分配可能ポイントは………レベルアップしたら出るのかもしれない。
後デイリークエストで腕立て伏せ100回、腹筋100回、ランニング10キロやらねばならないらしい。
無視したいがペナルティクエストが不明な今ある程度レベルが上がるまでやれと父から言われたので、仕方なくやる事にした。
「ぜぇ……はぁ、ぜぇ…………た、ただいまぁ」
「おかえり息子よ。クエスト報酬は?」
「はぁ、はぁ………えっと…………」
報酬1.状態の回復
報酬2.能力値ポイント+3
報酬3.ランダムボックス1個
すべて受け取りますか? と出たので当然全てを受け取る。
ちょっと待ってろと奥に引っ込んだ父が握力測定器を持ってくる。
「まずは回復から………」
「えっと………『状態の回復』………」
と、ハジメが呟くとぱぁ、と光に包まれ疲労が消える。実はランニング中すっ転んで怪我した場所も、治っていた。
「ほう、凄いな。じゃ、これ思い切り握ってみろ」
「う、うん………えい!」
「25.58…………お前………」
これだけ? と言いたげな目を向けられた。
「じゃ、筋力に全フリ。そしてもっかい………」
「わかったよ………」
父に言われたとおり能力値ポイントをすべて筋力にふる。そして、もう一度握力測定器を握る。
「40.63………一気に上がったなあ。20にしてたら普通に倍以上になってたぞ。能力値が上がるごとに、1つの値で上がる力が増えるのかもなあ」
冷静な分析をする父に、ハジメは息子の痛い妄想に付き合っていたわけではなく、本気で信じてくれていたのかと感動した。
それから大体6ヶ月。半年の時がたった。
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