ハーメルン
レベルアップで世界最強
ステータスプレート
翌日になり訓練が始まる。どんな訓練か知らないので取りあえず運動はせずに集合場所に集まった。
監督するのはメルド・ロギンスと言う騎士団団長だ。面倒な仕事を副団長に押し付けられる良い言い訳が出来たと言っているが、普通に考えてそんな怠け者が団長になれるとは思えないので気を使っているのだろう。
「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明書でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、失くすなよ?」
メルドから配られたプレートを見る。ステータスと聞きハジメが思い浮かべたのは、南雲家命名『システムウィンドウ』。思い浮かべたら勝手に出て来た。
これがこのプレートに表示されるのだろうか?
『南雲ハジメ ■■歳 ■ レベル:■
天職∶■■■
筋力:■■■
体力:■■■
耐性:■■■
敏捷:■■■
魔力:■■■
魔耐:■■■
技能:錬成 』
「………うっわ」
何一つか分からない。不良品でも掴まされたか? と言うか、錬成? そんなスキルに覚えはない。改めてシステムの方で見てみる。………追加されてた。
錬成Lv.1∶アクティブスキル
無機物の形状、密度、性質に干渉するスキル
カンストにより生成魔法に進化する
派生スキル∶なし
無機物の形を変えられるスキルらしい。なる程。
試しに石を拾い、念じてみる。石は鳥の形に姿を変えた。
「ハジメ。君はどうだった?」
「そっちこそ」
「僕はこんな感じさ」
『中村恵里 17歳 女 レベル:1
天職∶降霊術師
筋力∶56
体力:39
耐性:85
敏捷:46
魔力:90
魔耐:65
技能:降霊術・炎魔法・闇魔法・風魔法・魔力回復・魔力効率化・言語理解 』
「The、魔法使いって感じだな」
「そういう君は………何これ」
本来数字が書かれるべき場所が真っ黒に染まっているのを見て恵里は困惑する。その間にもメルドが何やら説明を続ける。
どうやらこの世界ではステータス成長してレベルが上がるらしい。レベルが上がってステータスが変化する訳ではない。ハジメの『システム』とは根本的に異なるようだ。
後、魔力が高い者ほどステータスも高くなるらしい。何か理由があるのだろうか? 覚えとこ。
それから各技能に合わせた武器ももらえるらしい。ハジメが現在ダンジョンで使用しているのは短剣だ。狭い通路では刃渡りが長いと引っかかるのだ。何時しか短剣による攻撃力補正のスキルも現れて、主流は短剣となった。
速度を活かした所謂暗殺者タイプの戦い方だ。父は派手な戦い方より影に生きる方がかっこいいよな、とのこと。
後、ハジメは映っていないが天職というのはスキルに連動していて、それに関しては無類の強さを発揮するのだとか。恵里は降霊術に一番適正があるのだろう。ますます腹黒僕っ子キャラに磨きがかかった。
「……………死者と話せる、か」
「…………………」
どうやら彼女の歪みばかりを見てたせいで、歪みの始まりを軽視してしまっていたようだ。反省した。恵里の頭に手を置くと、無言で寄りかかってきた。
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