ハーメルン
Metal Gear Solid/ Ark of ■■■■
7-2
2月10日 AM 09:35 ロドス艦内 深層フロア射撃訓練室、キルハウス
「・・・!」
パンッ パンッ
「すぐ動く!」
「ハイっ!」
2人は部屋を掛け抜け、次の部屋に突入する
パンッ パンッ パンッ パンッ
そんな2人の上にはスロープが設けられており、上から訓練室の間取りや中の動きが全てわかるようになっている。そのスロープの上にスネークとフランカの2人は見下ろすようにして、訓練している今回の依頼相手を眺めていた。
バニラには伝言を頼み、キルハウスの出口に待機してもらっている。スネークが来たことを訓練に付き合っているリスカムに伝えるためだ。2人が訓練を続けるようならしばらく様子を見たいため、スロープから声をかけたくなかったからだ。
「どう?あなたに鍛えて欲しいのはあの子よ」
「ああ」
今はキルハウス内に設置された的を順番に撃っていく訓練をしている。クリアリングしながら、次々と部屋を進んでいき、撃っている。安全な距離を保ちながらリスカムが後ろから付き添い、時々助言しているようだ。
パンッ パンッ パンッ
「……ふむ、射撃センスは悪くない、位置取りもそれほど問題はない、射撃や戦闘の動きに関する技術に関して俺から言うことはないな」
「そうね」
「だが足りないな」
「足りない?」
「技術は身についている、あとはそれを常に発揮するだけだが、技術を発揮する本人の意思が足りない。自分の思考や振る舞いに対して常に疑問を持ってるんだろうな。身体が硬いわけでもない、慎重すぎると言った方が正しいだろう」
「へー、上からみるだけで性格なんてわかるの?」
「常に部屋にエントリーする速度が同じだ、それに音も気にしているな。慎重なやつは何人も見てきたが、あそこまで慎重に訓練する奴は初めてみる」
「なるほどねぇ」
スネークが見てまず感じたのは、ヘッドセットを着けながらも耳を常に動かす姿だ。訓練中に注意しながらキルハウスを進む人間はもちろんいる。だが常に音にも気を配りながら、かつ一定の速度で進行していく彼女は、確実にターゲットを見つけ、取りこぼすことなく排除していく。
確実に敵を仕留めるその姿は見事なものだと思うと同時に、慎重すぎるともスネークには見えた。
「ジェシカ、だったか。彼女の戦闘経験はどのくらいだ」
「2年だったかしらね」
「2年であそこまでの兵士に育つか」
「けど、彼女はあんまり戦闘に参加したことはないの。BSWにいたときは新しい作戦とか試作品とかのテストに参加してて、本格的な戦闘に参加し始めたのはこっちにきてからね」
戦闘経験がフランカやリスカムと比べても少ないのだろう。あの動きからすれば新人であるというバニラの方がまだ大胆に立ち回ることができるかもしれない。だが、堅実で隙のない部隊展開は確実にジェシカの方が上手いだろう。鍛え上げれば後輩を育て、部隊を安定して運用する良い兵士になるに違いない。
であれば、問題なのは
「……リスカムについてなんだが、あいつは盾を装備するのがスタンダードな戦闘スタイルか?」
「リスカム?まあ、彼女の盾はそもそも専用のものだし、役割としてもシールダーで、火力を補うために銃を手にしてるって感じね。彼女、アーツは強力なんだけど反動で動けなくなっちゃうから、基本的には盾と銃を使うわね」
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