ハーメルン
Metal Gear Solid/ Ark of ■■■■
3-1
10xx年2月2日 AM08:06 曇天 視界距離19km
チェルノボーグ東口、BSW B.P.R.S(生体防護処置班員)ロドスアイランド派遣部隊、4WD車内
「全員乗ったわね」
「出します」
荒野と鉱石が広がる大地へと4WDが走り始める。
運転はバニラが担当し、助手席には未だ気絶しているリスカム、後部座席には運転席の後ろにフランカ、その右側にスネークが座ることとなった。本来ならば、スネークはBSWからすれば拘束対象のため、後部座席の真ん中に座らせ、左右に人を置く必要があるが、
『逃げも抵抗もしない相手に拘束処置しても意味ないでしょ、むしろ私たちが彼を逃す羽目になるので普通に後部座席に乗せるわ』とフランカが本部に連絡し、部隊として責任を取る形で了承された。
スネークとしては、拘束されても文句は言えないだろうと考えていたが、拘束しないと言われたからには素直に従い後部座席に座った。ついでにハンドガンとスタンロッド、ナイフをフランカに渡した。曰く『このまま連れて行かれて、この男に脅されて運転してきました、と言われるのは勘弁だ』とのこと。流石にフランカもそこまで考えていないと反論しながらも、一応武器は預かった。
「しばらくは車で移動することになるわ。明日の朝には着くはず」
「そうか、まあ長距離移動には慣れてる」
「そ、まあ移動している間にリスカムも目を覚ますでしょ、それまで色々聞かせてもらうわよ」
「ああ、構わん」
そう言ってフランカはメモ帳とペンを取り出し、荒れた土地を走る車内の中で器用にも色々書き始める。
「バニラー、本部には0745に連絡したのよね〜?」
「ハイ、そこから結構やりとりしてましたね」
「まあ詳しいことはこれからだからって向こうには伝えてさっさと切ったんだけどね」
そう言いながらもフランカは、メモ帳に今までの流れを大まかな時刻と共に時系列で書き連ねていく。
「まず、さっきも確認したけど、あそこにはあなたしか居なかったのよね?」
「1人だったな、俺が移動した範囲では他の気配もなかった」
「移動した範囲、わかる?」
「ああ」
そう言ってスネークはバックパックから、街中で拝借したチェルノボーグの案内図と赤ペンを取り出し、後部座席で広げた。
「俺が目を覚ましたのはこの中央部の中枢区画にある事務所のような三階建ての建物だ、そこから周辺を探索して水と食料、あとはコレを集めた。そこから目立たない東の非常口に向かった」
「非常口?」
「お前たちが見つけた開いていたドアがあった通路があったろう、そこだ」
「あれって移動都市の点検区画じゃないの」
「知らん」
「それもそうね、まあいいわ、あなたが移動した範囲がわかった」
自分が移動した大まかなルートをペンでなぞり示したスネークは、案内図を畳み、フランカに差し出す。
「どうせ使うだろう、お前が持っておけ、どちらにせよ俺には必要無くなったからな」
「あら、ご親切にどうも〜」
「んで、他にも聞くことがあるんだろう」
「まあね、あなたからは色々聞き出さないと面倒なことになりそうだもの」
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