ハーメルン
Metal Gear Solid/ Ark of ■■■■
5−2

インターフォンが鳴り、ラナは少し席を外した。
その間にもスネークはゆったりと座りながら紅茶を飲み、頭の中で思考していた。

まず考えなければいけないのは……葉巻である。
やはり葉巻がなければ始まらない、葉巻なき人生は人生ではない。嗜好品とあなどるなかれ、葉巻は心に安らぎをもたらし、人生を豊かにしてくれる。戦場においても心を平穏にさせ冷静さをもたらしてくれる兵士にとって重要なツールとなる。
いつか、食事はカプセルで摂取可能になり、兵站の負担は軽減されるだろうという話を聞いたが、とんでもない。食事は兵士にとって命の源であり士気にも直結する。また、戦場においても食事の時間は仲間と話をし、交流を深める絶好の場である。カプセルなどで代替できるほど簡単なものではない。

同様に葉巻はたばこで代替できるものではない。もちろん喫煙者は周りに配慮しなければならない、主流煙より副流煙の方が体に害があるからだ、吸うのは自己責任だが他者に危害を加える気は一切ない。ましてや鉱石病で呼吸器系が弱っている人もいるだろう、より一層の注意が必要だ。


だがそれはそれとして葉巻が欲しい


そのためには軍資金が必要だ。
ここで働くのも一つの手だろう、元から組織にはあまりこだわりはない。ましてや元の世界に帰る方法も探す必要がある。鉱石病に対して柔軟で積極的な姿勢を示しているここならば、この世界の珍しい情報も収集しやすいだろう。
だが一方で、ここである必要もないとも言える。何よりここだけの立場でしか情報を得ることができていない、せめて街を見てから就職を考えたい。


それはそれとして早々に葉巻を入手する必要がある


それも上質な葉巻が良い。この世界に葉巻職人がどのくらいいるかわからないが、せめてプレミアムシガーがあることを強くねがう。最悪ドライシガーでも構わないが、品質が粗悪であれば、タバコの葉を入手しまいた方が良いだろう。時間がないために巻いたことはないが、知識はある。ここならば葉巻を巻く時間もあるだろう。そのためにもタバコを生産している産地を知り、生産者と直接やり取りする必要もでてくるだろう。


何はともあれ、葉巻が欲しい


そのためには金と情報だ。そして不足しているのは情報だ。金は……まあ考えるとして、葉巻の入手方法がそもそもわからない。元の世界に帰るのを調べるついでにまずは葉巻に関して調査する必要があるだろう。

「あら、前と違って随分と難しい顔をしてるわね、何か考え事?」

葉巻について思案していると、後ろから声がかかる。それも聞き覚えがある声だ。
カップをソーサに置き振り返ると、ラナの後ろに茶髪と銀髪の二人組が見えた。どうやら彼女ら2人がここにきたらしい。

「まあな、明日から何をしようかと考えていたところだ」

「あらそ〜、こっちはあなたのおかげで大変だったのに呑気ねー」

「俺が迷惑をかけたか?」

首を傾けてフランカの方を見るスネーク、そんな彼に対してリスカムが補足する。

「あなたのことについて調べるのに協力されて長かったの」

「あー裏づけのための事情聴取か、それは確かに迷惑をかけたな」

「そんな大したことは話してない、というか話せないし」

「まあね、全くもって疲れたわよぉ?知らないって言っても、『何か言ってませんでしたか?思い出せませんか?』って。出身はともかく、趣味とか性格とか知らないし聞いてないものは聞いてないもの」

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