ハーメルン
ドクターゲロに転生したので妻を最強の人造人間にする
6話 サイヤ人回収計画
諸君、ドクターゲロである。原作開始はまだまだ先だが、孫悟空が地球へ飛来するまで後十年を切った。
原作開始まであと約二十年あるが、今から準備して動けば、妻を最強の人造人間にして復活させるという儂の目的に繋がる、大きな成果が期待出来るだろう。
原作と言えばレッドリボン軍だが……原作に比べると大分弱体化している。その原因は、おそらく儂が加わっていない事だろう。
今頃になって思い出したが、儂ことドクターゲロは原作ではレッドリボン軍の創設メンバーの一人で、様々な武器を開発してレッドリボン軍の勢力増強に一役買っていたらしい。それが、どういう訳か憑依前からレッドリボン軍に夫婦そろって関わらなかった。
儂には憑依前の記憶もあるのだが……何故以前の儂が原作のルートから外れたのか、理由は不明だ。いや、逆に危険な武装集団に関わる理由がなかったから関わらなかった、それだけの事かもしれん。
それはともかく、儂が協力していない影響もあってレッドリボン軍は軍と名乗っているものの実態はやや大きな傭兵団程度の規模のようだ。
そして、儂が今からドクターゲロとしてレッドリボン軍に協力するのも難しい。
これは儂の自業自得なのだが、会社の経営が上手くいった結果、儂の顔と名前が世間に広く知られるようになった。それでならず者集団のレッドリボン軍に協力するとイメージダウンが避けられず、儂の会社の社員達や友人のブリーフ博士に多大な迷惑が掛かってしまう事に、遅ればせながら気が付いたからだ。
そのため、儂は「謎で悪の天才科学者、フラッペ博士」という架空の人物を作りあげる事にした。
架空の人物に変装してレッドリボン軍に接触し協力を申し出る作戦である。そしてホワイト将軍の元にメタリック軍曹や8号を送り込み、人造人間の素材として有望な人物の遺体を回収後、最終的には壊滅させるのだ。
このフラッペ博士とは、アニメ版で人造人間8号を作った人物だ。しかし、調べたところこの世界線には彼は……少なくともフラッペという科学者は存在していない。この世界線では生まれていないのか、それとも儂がレッドリボン軍に最初から協力していなかったのと同じように、生まれていても別の分野に進んだのかもしれない。
彼の存在の有無は不明だが、科学者でないのなら間違われる事もないだろうし、遠慮なく名前を使わせてもらう事にした。
今はバイオテクノロジーを応用した変装グッズを準備しながら、裏社会にフラッペ博士の噂を流しているだけだが、時が来たら動きだす予定だ。
今はそれよりも、惑星ベジータに行くための準備をしなくては。サイヤ人のS細胞を……そしてスカウターと戦闘服、さらにはサイヤ人の遺体そのものを手に入れるチャンスが迫っているのだ。
S細胞のサンプルは孫悟空に頼めば手に入るが、孫悟空を人造人間に改造するわけにはいかないので、サイヤ人の遺体が欲しい。スカウターと、戦闘服のサンプルも見逃せない。
とはいえ、サイヤ人は危険な存在だ。自分達の仲間や同じフリーザ軍に所属している者になら、機嫌を損ねなければ問題ないだろう。だが、そうでないなら特に理由もなく殺されかねない。……いや、これはサイヤ人ではなくフリーザ軍の多くの兵士も同様だったな。
どちらにせよ入念な準備が必要だ。
その入念な準備に、だいたい七年くらいかかった訳だが。
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