ハーメルン
ドクターゲロに転生したので妻を最強の人造人間にする
9話 天才科学者と人造人間とサイヤ人

 諸君、宇宙から生還した天才科学者のドクターゲロである。儂等は4号とターレスと共に瞬間移動で秘密研究所が地下にある別荘に移動したところだ。
「うおっ!? クソ、この瞬間移動って奴はどうにも慣れないぜ。ここが爺さん達の……なんだこいつ!?」
 地球へ初めて訪れたターレスは、すぐ近くで草を食んでいるトリケラトプスに驚いて思わず身構えている。

「ターレス、彼はこの島の番トリケラトプスのタロウです。草食ですから落ち着いてください」
「このタロウの気がここに瞬間移動するための目印でな、倒さんでくれよ」
「チッ、分かってる。ちょっと驚いただけだ」
 儂と4号は別荘に入り、隠し通路から地下の秘密研究所に降りる。

「さて、ターレスよ、念のために聞くが体に不調は無いか?」
「そうだな……重力が弱くて落ち着かねぇって事ぐらいだ。まあ、それはあんたの宇宙船に連れていかれた時からだが」
 惑星ベジータは地球の十倍の重力じゃったからな。突然重力が十分の一になった事で体が軽くなり、戸惑っているようだ。

「てっきり宇宙船が安物か、文明が未発達な星の宇宙船だから人工重力が弱いのかと思ったが、こんな重力の弱い星があるとはな」
 まだ戦闘員として他の星に送り込まれた事がないターレスは、惑星ベジータから出た経験がない。そのため、彼にとっては10Gが普通らしい。

「そうか。この星の重力は惑星ベジータの十分の一じゃからな。まあ、しばらくすれば慣れるだろう。
 では、とりあえずあのカプセルに入ってくれるか?」
 そう言って儂が卵型のカプセルを指さすと、ターレスは胡乱気な顔をした。

「あれの中に入れて俺をどうしようってんだ?」
「あれはお前さんが軽く殴っただけで穴が開く、ただの医療機器だ。お前さんが病気にかかっていないか、検査するための装置じゃよ」
「病気? 俺は弱っているように見えるのかよ?」
「念のためだ。この星にはサイヤ人の病気を治せる医者はまだいない。すぐに終わるから、入ってくれんか?」

 生きているサイヤ人を連れて来る予定はなかったので、宇宙船には生き物の体内にいる菌やウィルスをスキャンする装置は地球人と4号用に調整した物しか積んでいなかった。それに、携帯用の装置よりこの研究所にある大型の装置の方が高い精度でスキャンする事が出来る。

「……そう言えば、色々データを提供するって約束だったな」
 そう言って、ターレスは渋々とした様子だったがカプセルに入った。そしてさっそく彼の体をスキャンするが、幸いなことに健康体で地球人の害になるウィルスなどは持っていないようだった。

「さて、それでこれからの事だがターレス、お前さんには儂の養子になってもらおうと思う」
「なにっ!? 爺さんが俺の親父になるのか!?」
 カプセルから出てきたターレスにそう言うと、とても驚かれた。

「ターレス、お前の歳だとそれが一番手っ取り早い。ああ、記録上はこの惑星、地球の地球人という事にして記録を作るから、そのつもりでの」
 何せ、両親もいつ生まれたのかも分からない3歳児が突然現れたのだ。色々と記録を捏造して誤魔化さなければ、マスコミが面倒な事になる。
 とはいえ、このあたりの事は4号を作った時にやっているのでどうにでもなる。

「おいおい、サイヤ人の俺に爺さんの星の人間のふりをしろってのかよ?」

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