ハーメルン
レジアスがクビになったようです
おりびえ革命

羅輯を除く、スカリエッティと愉快な仲間たちは管理局に投降した。
そして、この事態を少しだけ好転させる方法を提案した。

「・・・ホンマかいな?」

「ああ、どちらにせよ、後は彼に任せるしかないだろう」

「それで、その羅輯はどこに行ったんや?」

「ルーフェンに向かった。そこに彼の友人がいるらしい」





ルーフェンは使フレ撲滅キャンペーンが展開されていたが、
それ以外は平静をどうにかして保っていた。
もはや、一般市民も犯罪者も何もやる気が起きないのだ。
彼はルーフェンの建築様式の四合院に住む友人を訪ねた。

「おっ、羅輯じゃねえか。やっぱり生きてたか」

彼の名は史強(シー・チアン)。元管理局員だ。

「大史、突然ですまないが、アレはあるよな?」

「もちろんだ。コイツだな?」

彼は懐からビデオを取り出した。それは大学生時代につくったアニメだった。
羅輯、史強、丁儀の三人が協力して作り上げた結晶であった。

「そうそう。君の運営している海賊版サイトで、こいつを放送してくれ」

「・・・この状況をコイツで好転させるつもりか?」

「そうだよ。そうするつもりなんだ?」

「・・・利益はお前が7割持っていけ」

「遠慮しとくよ。それより、早くしないと」

「わかった。じゃあ、始めるぞ」





その頃、はやてたちは呉岳の近くで超大型の空間モニターを展開していた。
その空間モニターには海賊版サイトが映っていた。

「・・・本当に上手くいくの?」

なのはは未だに不審に思っていた。
確かに、次元犯罪者の提案など普通は聞くものではない。

「大丈夫だよ、羅輯パ・・・羅輯さんが上手くいくって!」

「今、パパと言おうとしなかった?」

その時、サイトの新着動画が更新された。

「『よちよちおりびえ』・・・これやな。作戦開始!」

動画が再生された。それも全管理世界で。
流れたのは前代未聞のアニメだった。
ゆるふわな絵柄で、ロリな聖王がよちよちと歩いているだけのアニメだった。
だが、それだけで各地の暴動は静まったのだ。
呪詛を吐いていた者たちが次々と浄化されていった。
はやてたちも顔がにやけていた。

「いや~最高や~」

「ヴィヴィオそっくりなの!とってもかわいいの!」

「私もあんな感じに歩けば、羅輯さん喜ぶかな?」

信じられないことに、呉岳に生えていた翼もどんどん小さくなっていった。
浄化されたのだ。この、ほのぼのアニメで。

「さて、動画をここで停止させろと羅輯監督は言ったが・・・」

「スカリエッティ、やめるんや。もうちょい見させて」

本当だったら、この動画はここで停止させられるはずだった。
しかし、誰もが続きを見たがった。そして、それは悲劇と夜明けをもたらした。
突然、ゆるふわな絵柄から、すっごく美しい絵柄に変わった(語彙力低下)。

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