我慢の理由
俺は今、ある事を考えてる
それは昨日ますきに言われた言葉
蓮「(自分から、か。)」
自分から求める事
それは俺にとって簡単なことじゃない
いや、俺の立場だからこそ出来ない
蓮「でも、それであいつらを傷つけるのは__うぐっ!!!」
突然、俺の心臓が大きく跳ねた
まるで何かに掴まれてる感じ
だが、苦しい訳じゃない
空腹に近いような感じがする
蓮(な、なんだ......!?)
頭がボーっとして呼吸が荒くなる
目の前の景色が少し白っぽく見えて
何かを求めて手を伸ばしてる
蓮「な、なん、だ......これは......っ!」
レイ『__蓮?』
蓮「っ!」
レイ『どうかしたの?大丈夫?』
ドアの向こうからレイの声が聞こえる
声を聞いてさらに心臓が動き始めた
それと同時にレイは部屋に入ってきた
レイ「れ、蓮!?どうしたの!?」
蓮「だ、大丈夫__っ!」
レイ「!!」
ドクンッと心臓が動いた
そして空腹感に似たものが強くなり
気づいた頃には......
レイ「__ち、ちょっと、乱暴だね///」
蓮「っ!(なん、だと......!?)
レイをベッドに押し倒していた
なんだ、これ、なんで、こんな?
訳が分からなくなって思考が追い付かない
蓮「う......ぐっ......!!」
レイ「れ、蓮?」
蓮(駄目だ駄目だ駄目だ!!!)
俺はまるで岩のようになった体を動かし
レイの上から退いた
蓮(俺は、あいつらを愛すると決めた......だから、自分勝手に襲うなんてできるかっ!!!)
思いっきり奥歯を食いしばり、
意識が遠のいたら舌を噛んで保つ
絶対に今に自分を委ねはしない
レイ「口から血が出てるよ!?」
蓮「大丈夫、だよ......取り合えず、離れてくれ......」
レイ「!」
俺はレイから距離を取った
そして、目を背けた
蓮(何が起きてる!?咎!!)
咎『__お前のためだ。』
蓮(っ!やっぱりお前か!)
レイ(この声!)
咎『俺はお前と違って常に人間の考えてることが分かる。それで、お前の自制心を弱めたんだ。』
レイ「!」
蓮「やめろ......この野郎が......!!!」
俺のためだと!?
こんなの俺は求めていない
咎『俺は言っただろ。お前を慕う者たちの声を聞けと。一回、本能に身を委ねて見ろ。』
蓮(誰、が......!)
咎『俺は寝るからな。ごゆっくり。』
蓮(おい!咎!)
咎との接続が切れた
あいつ、自分から解除しやがった
蓮「......っ(また、弱めやがった......)」
さっきより鼓動が早くなって
レイから目を離せない
レイ「......ほら、おいで。」
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