力の差
光。この名前に聞き覚えがあった。いつぞやの夢で誰かが俺を呼んでた名前だった。でもこの人ではない。声が少し違う。それに俺はこの人を知らない。この人がなぜ俺の事を光と呼ぶのかそれも分からない。だが、今はそんな事どうでもいい。霊夢を…みんなを傷つけたことに変わりはない。
木葉「お前、誰。この人を傷つけるなら容赦しないよ」
霊夢「木葉。ダメ…」
木葉「霊夢は少し黙ってて」
霊夢「…」
木葉「で?誰お前。お前は俺のことを知ってるようだけど俺はお前のことを知らない。俺からすると俺の大事な人たちが知らないやつに傷つけられてるんだけど」
倉本「光さん!私のこと分からないの!?結衣だよ結衣!倉本結衣!十二天星 第十二星座 魚座の倉本結衣!」
木葉「知らん」
倉本「そんな…」
木葉「なんなのお前。さっきまで余裕ぶっこいてたのになんで今は怯えているんだ」
倉本「!?」
倉本は自分が震えていることに気づいた。倉本は動揺して視線を逸らせた。
木葉「お前。目が泳いでるぞ。なぜ人の目を見て話さない。失礼だと思わないのか?」
倉本「…」
倉本は注意されて下を向いた。
木葉「下を向くな。前を見ろ。俺は下にはいない。お前の前にいるんだ」
倉本は色々言われたため、思い切って言葉を出してみた。
倉本「っ…光さん!私はあなたを連れ戻しに来ました!今現実世界ではドレインが出現しています!このままだと皆が!」
木葉「それ、俺の知ったことじゃないよね?俺はドレインが何なのか分からない。それにお前は俺の大事な人を傷つけただろ。そんなやつの言うこと聞くと思ってんの?」
倉本「でも!このままだと皆が…」
???「もういいよ倉本」
突然聞こえたのは男の声だった。声のした方を見るとそこには知らない人が大勢いた。そのうちの一人が倉本との会話に水を差した。魔法使いが着てそうなローブを身にまとった背は高めの男だった。
倉本「!?」
???「すまないね。うちの者が」
いかにもまとめ役のやつが話しかけてきた。
木葉「お前が主人なら躾ぐらいしたらどうだ?」
???「…その発言から察するに君は私たちのことを知らないのかい?」
木葉「知らない」
???「なるほど…倉本。光は記憶が無いのかもしれない」
倉本「え…記憶が…ない…」
???「あぁ。おそらくここに飛ばされた時に何かあったのだろう。天秤の能力が働いていない」
倉本「天秤の能力が!?」
???「アリエス。光の中にライブラはいるか?」
シュゥゥゥゥゥゥ…
すると???の背後に羊のような見た目のバケモノが現れ、木葉の体を見た。
アリエス「いや、いない。光の中からライブラの反応が消失している」
???「だろうね。そうでも無かったらドレインが出現することもない」
倉本「じゃあ本当に…」
???「あぁ、記憶が無いのかもしれない。十二星座の魂は私たちの力の源であると同時に記憶の保存も行っている。そのためアリエスたちは歴代の十二天星の事も記憶しているだろう。そしてライブラがいなくなっている今、光の中の記憶が全て消えているのではないだろうか。自分の事や人間関係、能力や能力の使い方も」
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