14話
朝食と身支度を済ませて広場に向かうと、既に艦娘達が整列をしていた。相変わらず緊張した雰囲気が伝わってくるが、昨日よりは些かマシになった感じかな?
「提督、夜戦組を除く35名全員集合しております。」
「わかった、なら始めよう。」
列に戻る大淀を見送ってお立ち台に向かう。昨日は地獄の入り口のように感じた階段だが、今日はなんだか猛獣の巣の入り口くらいに見える。その程度なら可愛いものじゃないか。
「総員、提督に敬礼!!」
「おはよう諸君、今日はやることも多いので手短に伝えよう。大淀は引き続き秘書艦として働いて貰い、明石には資源や物資の出入り等の過去のデータをまとめて貰う。明石の補佐には夕張を付ける。長門は前任者の私室の調査と片付けの指揮を取って貰う。ここは徹底的に調べるので皆にも協力してもらう。次に今日の哨戒だが、龍田・吹雪・睦月・如月に任せる。基地のレーダー範囲の外を見回る程度で構わない。最後に面談をしていきたいので呼ばれた者は会議室に来るように。何か質問がある者はいるか?」
「なら一つ聞きてぇんだが「天龍ちゃん?」
・・・聞きてぇですが、面談ってのは一人ずつやるのか・・・ですか?」
「あー天龍、昨日は罵倒したから罰を与えたが、無理して敬語を使う必要はないぞ。
それで面談だが一人ずつやる時間は無いから、ある程度まとめてやろうと思っている。個別で話したいことがある場合は、事前に大淀に伝えてくれれば対応しよう。」
「おう、話が分かるじゃねぇか!それなら構わねぇ」
「他に質問がある奴はいるか?なければ解散だ。大淀・長門・明石はこの後に会議室に来るように。哨戒組は出撃の準備をして哨戒に出てくれ。では解散!」
「提督に敬礼!!」
艦娘達に敬礼を返しお立ち台から降りる、今日はかなりスムーズに進んだ気がする。いやこれが普通なんだろうけど。今日のメインは前任者の汚職の調査だ。上の連中が証拠隠滅しているようだが、徹底的に掘り返して探してやる。
会議室に大淀達を連れて戻ってくる。
「ではさっそくだが、今日は前任者の汚職調査がメインとなる。大淀は来客の履歴を調べることと、資金の流れを調査して欲しい。あと遠征や哨戒で全艦轟沈した日付もまとめてくれ。秘書艦としての仕事もあって大変だろうが頼むぞ。」
「了解しました。ですが資金に関しては前任者が自ら管理してましたし、先に調査に来られた方々が証拠隠滅している可能性もありますが・・・」
「資金に関しては証拠が見つかれば儲けものってくらいだが、やるだけやってみてくれ。」
「はい!」
「次に明石だが、まず倉庫に長門達が作業するスペースを確保してもらい、その後資源の増減の調査を頼む。特に他所の鎮守府から輸送されたやつを調べて欲しい。」
「はい!お任せください!」
「長門は艦娘達を集めて、前任者の私室の調査だ。部屋の中身は全て倉庫に運び出して調べて欲しい。壺や絵画なんかは全て売るから丁重に扱ってくれ。」
「それは構わないが、全部運び出したら提督はどこで生活するのだ?」
「しばらくは応接室を使うが、調査が終わり次第普通の家具を購入するつもりだ。前任者の悪趣味なやつをそのまま使うのは吐き気がする。」
「フフッ、了解した。綺麗に全て運び出しておこう。」
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