ハーメルン
疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建
15話(面談 第六駆逐隊)

「司令官、ご機嫌ようです。暁達に話があるのね?」

「ああ、朝礼でも伝えたが面談をしたい。とりあえず座りたまえ。」

 あらかじめ用意していた椅子を勧めると、右から暁・響・雷・電の順番で座っていく。暁は表情が明るく、ちょっとドヤ顔している。響はあまり表情が読み取れないが、なんとなくこちらを品定めしている雰囲気だ。雷は怯えが隠せていないが、一応取り繕おうと目線を逸らそうとしない。逆に電は完全に怯えていて目線を合わせようとしない。同じ暁型の姉妹でも個性がはっきりしているな。

「今回の面談は調査が目的で、諸君を責める意図はないから安心してくれ。」

「大丈夫よ司令官!暁になんでも聞いて」

「ではまずは前任者の印象について、一人ずつ聞いておこうか?」

「そうね、暁はあまり前の司令官とは話してないからよく分からないわ!でも皆が酷いことされてるって聞いたから、嫌な人だったと思うわ。」

「そうだね・・・怖い人だったよ・・・急に何を言い出すか分からない人だから・・・」

「え、えっとやっぱり怖い人だったかしら?で、でも私達が危険な時は、ちゃんと応援送ってくれてたわね。」

「電は・・・皆が沈むのも、痛いことをされるのも嫌なのです・・・」

「同じ第六駆逐隊でも評価が分かれるのか、気になるところはあるが、まずは暁。」

「なにかしら?」

「あまり前任者と話をしていないと言っていたが、暁が第六駆逐隊のまとめ役ではないのか?通信とかでも話をしていないのか?」

「まとめ役はもちろんお姉ちゃんの暁よ!でも司令官との連絡とかは響が担当していたわ!」

「そうだね、この中では一番長く在籍しているからね。」

「なるほど、じゃあ次に雷。危険な時はちゃんと応援を送ってくれたと言っていたな。」

「そ、そうだけどどうかしたの?」

「戦闘の記録を見たが、他の遠征や哨戒の部隊だと轟沈していることも多々あるようだが、本当に応援を送って貰えていたのか?」

「そうね、私達だけで切り抜けられない時は、素直に応援を頼んでいたわ。」

「そうか。」

 駆逐艦達は消耗品として扱われていたと思っていたが違うのか?それにしては全艦轟沈の回数が多すぎると思うが・・・

「電は前任者を怖がっていたが、何か理不尽なことをされたのか?」

「電は・・・無理な作戦に失敗して、鞭で叩かれたこともあるのです・・・その時は由良さんと初雪さんと深雪さんが沈んだのです・・・旗艦だった長良さんはもっと酷いことをされていたのです・・・」

「そうか・・・それは辛かったな・・・」

 やはり無理な作戦を強行して、失敗すると責められていたのだな。ならなんで第六駆逐隊で動いていた時は、応援を送ったりしていたのだろうか?誰かお気に入りでもいたのか?

「なら単刀直入に聞くが、この中で性的なことを迫られた娘はいるか?」

「暁は無いわね。」

「私も・・・無いかな・・・」

「うーん、そういったことはされてないわね。」

「電は・・・お仕置きはされたのですが、そういったことはなかったのです。」

 前任者は子供には興味が無かったのかな?

「それなら良いのだが、では何か要望などはあるか?」

[9]前書き [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/2

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析