ハーメルン
男性Vがコラボするってよ【完結】
Vの裏で:ちゃんと予習しましたか?

『待ってたわよこの時を……!』
「え、なんスか開口一番」

 G・IMODのPVPコラボが決まり、その打ち合わせってことで大島さんと通話を繋げると、急にそんなことを言われた。やる気満々っすね先輩……。

『分かってるわよねぇ!? 今度こそ! 間違いなく呪文(スペル)カードを使った勝負になるわ!! テンション上がりまくりよ!!』
「耳が早いなぁ」

 いろいろと追加要素やら既存のイベントが改変される大規模アプデ予定のG・IMODなのだが、作者さんがSNSで先行公開した情報によれば、呪文カードを唯一購入できる場所、魔法都市マサドラが必ずプレイヤーの初期スポーン(誕生)地点から最大拡張マップ一枚以内の土地に生成されるようになるらしいのだ。

 前のPVPじゃ時間との勝負かつ、もろもろの要素が完全にランダム生成だったこともあり、ただの先に取ったモン勝ちの対戦になったが。次こそ原作漫画のように、互いに熱いカードバトルが出来るようになるハズ! ってこってすね。

『フフン、この前のアーカイブ見させてもらったわ! まさか魔女の家にトラエモン獲得フラグがあるなんてね……。でも、その情報は攻略サイトなんかには無かったからどういうことなのか調べたの。そしたら海外サイトの情報らしいじゃない? アンタはそれを知ってて、アタシは知らなかった……その差を埋めないわけないでしょ!?』
「つまり、今んとこ日本では出回ってない情報もしっかり拾ってると」

『そういうことっ! 翻訳サイトって神よね!!』
「たまに変なこと言い出すとこ除けばそうね」

 なるへそ、前回の勝負の反省として、より鮮度の高い情報も拾いに行ってたと。意識高いなぁ……。MODの作者さんは海外にお住まいの外国人なので、当然SNSの言語やらブログも外国語だ。そこもしっかり網羅してると。

『ちょっと何よ、テンション低くない? やる気あんの?』
「いや、こっちからしたら、なんでそんなに元気なの? って感じなんだけど。こちとら徹夜で予習してるのに」
『へっ? どういうことよ』
「どういうも何も、昨日先行パッチが公開されたばっかじゃないすか。通話繋げる前までずっとプレイしてたんで、正直眠いんすけど……」

 もしや、大島さんは長時間ゲームするとハイになってくるタイプか? 俺も多人数プレイとかだとそうだけど、一人だと普通に眠気がヤバイタイプだ。

と、思ったが。どうやら事情が違うらしい。

『はぁ!? えっ、ちょ……知らない! そんなのどこに書いてたのよ!?』
「え、いや。MOD配布ページの最新情報リンク先にあったけど……。あーそっか、ページの文章丸ごと翻訳にかけたのか。だったらリンクかどうかなんて分かんないよな……」

 サイトに入る前にリンク先ごと訳せば分かったんだろうが、翻訳サイト云々言ってるしページの文章全部コピーして、わざわざ翻訳サイトで和訳したんだろう。リンク文も"先行公開中"みたいに、URLまんまじゃなくてわざわざ文章に置き換えられてたし。分かりやすいページ作りをした作者さんとユーザーの切ないすれ違いである。

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