ハーメルン
Doll meets Human?
act.18 slaughterhouse




ーG&K本社 第2作戦会議室ー


「人形の連続失踪事件の捜査・・・ですか?」


キャリコがなんで私達が?といった表情をしつつヘリアンに尋ねる。


「そうだ。当該エリアはC05地区。鉄血に襲撃される可能性も低く、人権団体の過激派等の存在も確認出来ない、比較的平和な地区だ。」


ヘリアンは淡々と概要を説明していく。


「始まりは今から約一ヶ月程前、最初は交通整理を担当していた人形2体。次いで地区の幼稚園に所属していた人形1体。個人所有の人形が計6体。その後、危機感を覚えた民間の有志により発足した自警団に所属する人形5体が次々に消えていった。そこでG&Kからも治安維持の名目でパトロール部隊の編成、巡回をしたところ、2日前に1部隊が丸々失踪した」


「民間の人形ならまだしも、訓練を受けた戦術人形が簡単に失踪するとは考えにくい・・・。何か裏がある、ということね?」


AK12の発言に『その通りよ』とヘリアンの隣りにいたペルシカが説明に入る。


「以前、貴女達に依頼した試作ドローンの回収の件と今回の失踪が繋がってる事が分かったの」

「どういう事?さっぱり分からないわ」


一体何がどう繋がっているのか皆目検討も付かないWAが眉を潜めつつ軽く愚痴る。


「実はあのドローンは保管中に職員に盗まれた物でね。余罪が無いか徹底的に調査したところ、I.O.P本社倉庫から『無線式緊急停止装置』一式が紛失している事が判明したの。で、その事を下手人に突き付けたら、金に困ってブラックマーケットに流したって白状したわ。恐らくそこからC05地区に渡ったんでしょうね」


因みに下手人は上級ID剥奪の上、崩壊液研究所へ強制異動になったとの事。


「ブルーチームには今からC05地区に向かってもらい、現地のパトロール部隊と合流。合同で周辺の警戒をしてもらう。なお、現地で既に追跡装置を搭載したダミー人形を囮として数体用意している。食いついた相手の場所が分かるようにな。質問がなければすぐにでも移動してもらう、いいな?」


「「「「「「了解」」」」」」















ー2時間後 C05地区上空ー



「もうすぐ基地に到着します。皆さん、準備をお願いします。」


ヘリパイロットの大声にそれぞれが武器や装備の再確認をする中、本部より緊急連絡が入る。


「本部より緊急連絡!先行してパトロールを行っていた現地部隊が信号Lost!ブルーチームは失踪ポイントに急行し、現地パトロール部隊の捜索を第1優先とせよとのことです!」

「信号がLostしたポイントは何処ですか?」

「住宅街から離れた工場地帯とのことです。また、当該基地より治安部隊が出動、周辺一帯を封鎖するとの事です」

「パトロール隊は追跡装置を持ってるの?」

「不明です」

「全く、功を焦って墓穴を掘ったって訳ね」


コンテンダー、キャリコ、WAが思い思いの言葉を出す中、チーフは静かに語る。

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