第13話 ヤシマ作戦開始!
ピッ、ピッ、ピッ、ポーンッ!
『ただ今より、午前0時、丁度を、お知らせします』
「時間です」
マコトが時計を見て予定の時間が来たことをミサトに告げる。
「2人共、作戦に参加してくれてありがとう」
ミサトはコックピットに座るシンジとレイに通信を入れ、感謝の言葉を送る。
「ヤシマ作戦発動!陽電子砲狙撃準備。第1接続開始」
ミサトの号令と共に、今まで待機中にあった人や物が一斉に動き始める。
「了解。各方面の1次及び2次変電所の系統切り替え」
マコトが順を追って作業を進める。それに続き、次々とオペレーターの通信が始まる。
『全開閉器を投入。接続開始』
『各発電設備は全力運転を維持。出力限界まであと0.7』
『電力供給システムに問題なし』
『周波数変換容量、6500万kWに増大』
『第1遮断システムは順次作動中』
日本中の発電所や変電所では、職員が計器を睨み作業を進めている。次々に生み出された電力は第3新東京市に集まる準備を始めた。
「第1から第803管区まで送電回路開け」
マコトが次の指示を出す。
『電圧安定、系統周波数は50Hzを維持』
「よろしい。では第2次接続」
ミサトが次のフェーズへの移行を宣言する。
『新御殿場変電所、投入開始』
『新裾野変電所、投入を開始』
『電圧変動幅、問題なし』
「第2次接続完了!」
「第3次接続へかかれ!」
オペレーターの各報告を受けてミサトが指示を続ける。
「了解。全電力、二子山増設変電所へ」
マコトがミサトの指示をつなぐ。
『全冷却システム、最高出力で運転中』
『超伝導電力貯蔵システム群、充填率78.6%』
『超伝導変圧器を投入。通電を開始』
『インジゲータを確認。異常なし』
『フライホイール回転開始』
『西日本からの周波数変換電力は最大値をキープ』
大量のケーブルでつながれた機材に電力が供給されていく。通っていく電力の量が多すぎてバチバチと音を立てる機材も確認できた。
「第3次接続、問題なし」
現状作業は順調であることをマコトが確認する。
「了解。では第4、第5要塞へ伝達。予定通り攻撃を開始。観測機は直ちに退避」
ミサトの合図で上空に待機していたP-3Cがその場を離脱し、山の斜面に設置されていたVLSから大量のミサイルが発射される。ミサイルは群れとなって使徒へ一直線に向かっていく。
攻撃範囲内にそれらを捉らえた使徒は、小さなパーツに分離して時計のような陣形を取ると、荷電粒子砲を発射しながらぐるりと回転させて応戦する。
「ミサイル群全弾迎撃されました!命中弾なし!」
ミサイルが一瞬にして消え去ったことをマコトが伝える。
「悟られるわよ。間髪入れないで、次!」
ミサトは怯まずに次の攻撃を指示する。
続いて丘の上に設置された旧式の砲台から長距離射撃が実行される。砲弾は使徒の至近距離まで到達するも、ATフィールドによって弾き飛ばされてしまう。そして使徒も砲台のような形に変形すると、強力なエネルギーを一点に集中させて荷電粒子砲を放つ。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク