第18話 アスカ来日
シンジ達は2号機が回収される現場にギリギリのところで到着した。
到着するやいなや、ケンスケは興奮しまくり、2号機が運ばれている線路との間に設けられたフェンスにしがみついていた。
トウジもポカンと2号機を見つめている。
「ほえ〜、2号機は赤いんか」
マヌケな声を挙げるトウジ。
シンジはチラリと後ろを見ると、いつの間にかレイも立っていた。レイも2号機をじっと見つめている。
再び視線を前に戻すと、ケンスケはいつの間にかカメラで2号機を激写していた。もちろんミサトが許可済みだし、帰る前に検閲もする。
また、トウジ達の声が聞こえたのか、2号機の上から高飛車な声が響いた。
「違うのは色だけじゃないわ!この機体は零号機と初号機とは違って完成された完璧なエヴァンゲリオンよ!プロトタイプとは比べ物にならないの!」
全員が上を見上げると、2号機の肩に1人の少女が仁王立ちで立ってシンジ達を見下ろしていた。アスカだ。
栗色のロングヘアーに青い目。街中を歩いてたら男共はこぞって振り返るほどの顔立ち。美少女とはこういう事を言うのだろう。
「よっ、ほっ、はっ、と・・・・・・」
アスカはバランス良く2号機から降りると、こちらへ歩いてくる。
「彼女は式波・アスカ・ラングレー特務一尉。ユーロ空軍のエースで2号機パイロットよ」
「ミサト!久しぶり!」
アスカの事を紹介するミサト。アスカは以前から面識のあったミサトに会えて喜んでいた。
だが直ぐに後ろの方にいるレイをミサトの肩越しに見る。
「あれが零号機パイロットのエコヒイキね」
聞こえるように声を大にして言ったのだろうが、レイは意味がわかっていないのか、気にしていないのか定かではないが、アスカの顔を見るとその場を去ってしまった。
「で?どれが七光りの初号機パイロット?」
「「ん」」
アスカの問いにトウジとケンスケは揃ってシンジを指さす。
「ふん、あんたバカァ?肝心な時に戦場にいないなんて」
「違うわアスカ。シンジ君はお墓参りに行ってたのよ」
「オハカマイリ?」
「お母さんのお墓に行ってたのよ」
この時アスカは一瞬だったが苦い顔をした。母親関係で色々あったアスカはこういった会話が苦手だ。別に母親が嫌いだった訳では無い、むしろ逆。しかし他人に話せるような事ではなかった。
互いにそういった事情があるため、アスカは何も言えなくなってしまった。
だが悲しいかな。エリート意識のあるアスカはここで止まれなかった。シンジの足を払おうとしたのだ。
しかし、シンジは前回前々回とアスカに転ばされてきたのでさすがに警戒していた。アスカが足を払う瞬間、素早く後ろに下がる。
「なっ!」
驚くアスカ。
それから蹴りを何発か繰り出すが、ことごとくシンジに避けられる。
「なんで避けるのよ!」
「普通避けるだろ!?」
ここで当たりに行くのはただのMだ。それに訓練を受けている者の蹴りは結構痛い。教官達に扱かれているため、シンジは文字通り痛いほど知っていた。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/4
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク