「マサラタウンに さよならバイバイ」 Part.2
チャンピオンリーグの最終戦ともなれば世界中のファンが注目するし、ガラル地方ではジムリーダー戦で何十万ものファンがスタジアムに押し寄せる。
対戦相手だけじゃなく、スタジアムでもテレビの向こうでも、だれもがまばたきを忘れてレッドの一挙一動をみつめるだろう。
「おまえが魅了するんだ! チャンピオンも! 観客も! すべて!」
あらゆる人々がレッドに魅せられて、夢をみて、熱中する。
できないはずがない。
レッドは、原点にして頂点の名だ。
ポケモンのすべてがその名前をもった少年からはじまった。
もうすでに、できたことだ。
また、できるはず。
たとえそれをグリーンが知らなくても、ゲーム内の自分はいけすかないライバルだったことを知らなくても、この世界に生きるレッドに魅了されたファンのひとりとして、彼は叫ぶ。
「ここから始めるんだ。マサラタウンから、おまえのお母さんから!」
マサラは真っ白。始まりの色を冠した土地。すべてが始まった場所。
ここからもう一度、はじめるのだ。
「……ありがと、グリーン」
レッドが帽子のツバをうしろにまわし、ジャケットの前をあけて動きやすいようにする。
深呼吸をして、頭のなかを切り替える。
カチリ。
きりかえスイッチが入った。
おくびょうなレッドをひっこめて、凛々しいレッドと交代。
準備完了。
「いくよ、ピカチュウ」
レッドのバトルがはじまる。
[9]前 [1]後書き 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:5/5
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク