コピー忍者! それはカカシのことだけではなく!
波の国への道中、依頼主の爺さんは殆ど喋らない。
周囲を警戒しているのと難易度詐欺がバレないようにしてるからだろう。五影の話から忍者対決の話になった時、所々違和感が出始めた。そして例の水たまりが出た時……。
「サスケ何見てんだ?」
「……いや……国といやあな。渦の国ってのがあったのを思い出しただけだ。そこには渦潮隠れの里があったんだが……」
俺が目線を動かした事にナルトが気が付いた。本当はカカシが見た光景を自分でも見たかっただけだ。それなのにコイツはなんで俺の視線変更に気が付きますかね。仕方ないのでナルトに関わるセンシティブな話という事にして誤魔化す事にした。
「渦……それってもしかして……」
「そうだよ。だから言いたくなかったんだ。余計な事を口に出させやがって」
サクラの他に爺さんもナルトを見たということは、自然な流れで話を変えられたようだ。もしかしたら渦潮隠れの里を知っていたのかもしれないが、敵に気が付いたことは誤魔化せただろう。
「なあなあ。渦潮隠れの里ってどんな場所だったんだ? 教えてくれってばよー」
「教えてやるからまとわりつくな……。まあ、あんまり知ってるわけじゃねえけどな」
興味があるのはまあ当然だろう。ナルトは俺の袖を引いて滅びた里の事を知りたがった。正直、この後の展開を知らなかったら本気で邪魔に思っていたかもしれない。だが、流れからするとこの方が一石二鳥で一手分稼げるのだ。
「うずまき一族の里の他は大渦でもあったんじゃねえか? 詳しくは知らないが、うずまき一族ってのは千手一族の分家で、親戚っぽい所が生命力が強かったこと。そのせいかチャクラが多かったりコントロールが上手い奴が多かったらしい。コントロールといやあ封印術と金剛力だ」
「チャクラのコントロール……オレってば苦手なんだよなー」
「金剛力……桜花……」
ナルトが食いつくのは当然として不思議とサクラも興味があったようだ。写輪眼で読んだ唇の動きから桜花衝の事を言ってるようだが、もしかして五代目ともう会ってるのか?
更なる話を要求されそうになった時、頃合いと見たのか、さっきの水たまりから鬼兄弟が出現する。二人を一人と見せる姿で現れる辺り、小技とはいえ中々考えられた動きだった。
「一匹目……」
「何っ!?」
「え?」
鬼兄弟はそのまま流れるような動きでカカシを殺そうと動き、次のターゲットにナルトを狙う。そのままオレに連続で来ようとする当たり、中々良いコースだ。もっとも俺がカンニングしたせいで、台無しなんだけどな。
「二匹目と……」
「三匹目!」
「勘違いだ」
「サスケェ!?」
鬼兄弟の攻撃に対しオリジナルの術を用意しつつ、幅の問題でナルトに急接近した。以前に言ったと思うが、新術は開発途中で失敗していてまだサイズ調整とかが効かないのが欠点だからだ。
「忍法・火産霊の術。一の式!」
「馬鹿な! こんな火遁知らんぞ!?」
ナルトと強引に接近しつつ、そのまま自分の周囲に黒炎で造られた縄を出現させる。威力を下げているので延焼するほどではないが、周辺を焼きながらチャクラを放出するので鎖を弾くくらいは可能だ。
「黒い縄が鎖を弾いてるってばよ!」
「鎖にもチャクラを練ってるのか? 裏目に出たな! この黒縄炎は俺を守る盾であり矛だ!」
イメージしたのは須佐能乎による攻防一体の力だ。威力も強度もあそこまでないが二つの加具土命を使って作り上げてしまえば、口寄せだけで成立するのでコストの点では申し分ない!
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/5
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク