ハーメルン
二つの加具土命【第一部完】
気が付いたら差異は大きくなっていく

 木の葉に帰って少しくらいは修行時間があるはずだったが、術の調整に専念を余儀なくされた。
十以上創る気の無かった独自の術が圧迫された事と、『奴ら』を何の術として再構築するかを決めなければならない。もちろんハンドサインを決める必要がある他、意識がある以上は報酬も必要だ。

「ナルト姐ちゃん最近冷たいよお~」
「修行しねえと付いていけねえんだってばよ。なにせオレは下忍でNo.1の小隊だからな。また今度、コノハの術を見てやるってば」
 ちなみに中忍試験編開始までの大きな差は木の葉丸の性別が違っていたくらいかな? いや……そういえばシカマルと頻繁にあってるほか偶にシノとも出会ってたはずだ。

(あそこまで仲良かったっけ? 原作と微妙に違うせいかモヤモヤするな。シノも少し違和感があったし、まさかあいつも女の子じゃあるまいな)
 シカマルは男のままだったが授業で馬鹿やる以外に仲良くなかった印象がある。シノに関しては額当ての位置が違うほか、声が若干高かったような気がする。仮にシノが女の子だったら、まさか代わりにヒナタが男なのか? サクラも男でナルトが女の子だからバランスは取れてるが。影が薄いのまだ子供だったので気にしてなかった。

「サスケ君。注文の件は父さんに送っといたわよ。また二組分で良かったんだっけ?」
いの(・・)のお陰で助かった。そろそろ中忍試験だろ? 時間を掛けたくないからな」
 思考を中断させたのはいの(・・)に頼んでいた件が終わったからだ。何が助かるかと言って目の前で伝心の術を使ってくれた事とかな。できれば追加印や法陣もあればありがたいが、それは追々探せばいい。心転身と用途が違い過ぎるので印の方は比較検証できる。火遁分身へ指示出す専用の術なら別に距離短くてもいい。

「また花を買ったのか? おめえもマメだなあ」
「今回は白と再不斬の分だよ。首切り包丁もってきちまったしな。埋め合わせってやつだ。取りに行くついでに買い物もするから、ナルトやコノハ達も何か食ってくか?」
「ホント!? 嬉しいなあ」
 これは自分で作った差異かな。サクラが剣術というか白兵戦闘そのものに興味を覚えてたので、桜花衝による剛力の事もあって首切り包丁を持ってきている。流石にでか過ぎるんで本当に使わせるかは微妙だが、決して損にはならないだろう。

「マジかよ! じゃあじゃあラーメン……あー。菓子でも買いに行くか」
「いいの? リーダーたちと一緒におやつ?」
「別に構わねえぜ。さっきも言ったがもう直ぐ中忍試験だからな。最後の追い込み前に気力を付けとかねえと。サクラも時間が空いたら来て構わねえぜ」
「……了解。時間が空けばそうする」
 原作だとガキどもが砂の連中ともめる為、理由を作って一緒に町中を散策することにした。もちろん忍具やら薬草を買い足したりするから買い物自体は嘘じゃねえけどな。

「あ、コレコレ。サスケってば知ってるか? カンポーだかケンポーだが知らねえけど、シカマルに聞いたんだけそこの薬ってば高いけどよく効くらしいぜ?」
「そういや、あいつの家は森の管理をやってたっけ?」
 確かシカマルの家は薬にできる薬草の類に詳しかったはずだ。

[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/7

[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク
携帯アクセス解析