ハーメルン
俺、実は彼女がいるんだ………
家族説明会


八幡side


小町「それでお兄ちゃん、説明プリーズ♪」

八幡「まぁそう焦るなって。んなしかめっ面はお前には似合わん。ホレ、土産と飲み物でも飲みながら、な?」

小町「あぁうん、そうだね。一先ず一口………っていう風にはならないからね?」


チッ、いつもだったら食いつくのに。今は彼女のネタの方が強いって事か………


八幡「分かった分かった、説明するから。その前に1つ聞きたいんだけどさ、何でちゃっかり母ちゃんも居るんだ?」

凛「だって気になるじゃない、アンタに彼女ができた経緯。」


うん、気になるよね。誰だって気になると思うけどさ、何で今?旅行行く前にも聞けたよね?


八幡「まぁいいや。小町、お前中学の時に流行ってた【幽霊ごっこ】って知ってるか?」

小町「あぁ〜流行ってたよね〜!誰かかは分からないけど、その人に話しかけたら無視されるっていうヤツでしょ?」

八幡「まぁ小町達はそういう認識だろうな。実はその【幽霊ごっこ】ってのはな、特定の人物を居ない人、見えない人、幽霊扱いにするって事だ。もっと簡単に言えばソイツを無視をするって事だ………それはYさんがクラスのイケメン君に告白された事で起こった事なんだよ。当然Yさんはこの事を知らない。最初は秘密裏にやらされてた事だからな、けどそれが何故か流行り始めて噂に尾鰭がついたのか、『その人物に話しかけたら、その人も幽霊になる。』ってバカげた設定もあったんだ。」

小町「へぇ〜最初のは知らないけど、1番最後のは小町達が聞いたのと一緒だね。」

八幡「そうだろうな。それで続きだが、その幽霊扱いされていたのが、柊だったんだよ。」

小町「うえぇ!!?ひ、柊さんが!!?」

八幡「あぁ。初めて俺が柊と話した時、アイツは泣いてた。それも酷く傷ついたような顔をしてな。それから少し話をしてから、次の日から何故か柊が俺と一緒に行動するようになった。まぁ俺はその【幽霊ごっこ】とかどうでもよかったしな。俺、友達居ねぇから無視されても困らなかったし。」

凛「八幡、アンタ………」

八幡「いいんだよ別に。でだ、一緒に行動するようになってからはその遊びも段々と大した事なくなってきたからか、柊の所に謝りに行く奴が増えて来たんだ。そしたらソイツ等にどんな事したか想像つくか、小町?」

小町「うぅ〜ん……優しそうな人だったし、やっぱりまたよろしく〜みたいな感じ?」


まぁ、あの人となりを見れば誰もがそう思うだろう。けど現実ってのはそんなに甘くない。


八幡「正解は……今度は柊がソイツ等を幽霊扱いしたんだよ。しかも本当に見えていないかのような扱いでな。」

小町「え、ええぇぇ………」

凛「そ、そうなの?」

八幡「あぁ。そん時の事はまだ覚えてっけど、俺の口からは言えない。流石に個人情報の問題もあるからな。そして修学旅行の時に柊に告白されて、そっから俺達は付き合って今に至るってわけだ。まぁ要するに柊はそん時【幽霊ごっこ】の対象者にされてクラスどころか全学年からハブられていた所に俺が話しかけた。そして次の日から俺と一緒に行動するようになって修学旅行で付き合い始めたってわけだ。」

小町「小町の知らない所でそんな事があったんだ………柊さん、凄い経験したんだね。」

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