ハーメルン
【完結】Re:Connect ―揺れ動く、彼女の想い―
夕暮れと夜の境界線
――――
あれから私の心のモヤモヤは、何だかすっきりした気がしたんだ。
「ふふっ! とっても凄い景色。こうしたのって、海外じゃないと見れないって思っていたけど」
空を飛んでいるヒロトのアースリィガンダム。その手の平に私は、乗っかって下を眺めていたの。
空の風と、それに見下ろすと白い雲と、さらに下には鬱蒼とした巨大なジャングルが広がっている。
大きな河が流れて、そこからいくつも小さい川が枝分かれして深い森林に。まるでこの景色って南米のアマゾンかな。それみたいだね。
〈ここはガンダムの舞台である、ジャブロー。この地下には地球連邦軍の大基地がある。ヒナタには以前教えたとは思うけど〉
そうヒロトは、ガンダムのコックピットから私に伝えてくれた。
「もちろん覚えているよ。
……でも、こんな風になっているの、見たことなかったから」
真下のジャングルには所々に人工物だって見えている。
やっぱりここは軍事基地なんだなって、そんなイメージ。
「ねぇヒロト」
〈どうしたんだ?〉
通信でそう尋ねる彼に、私はこう話した。
「ありがとうね。最近私のわがままを聞いて、GBNのあちこちに連れていってくれて。
私とても楽しいし嬉しいんだよ」
この頃、私はヒロトと二人でよくGBNを見てまわっていた。ヒロトも、それにカザミさんたちビルドダイバーズのみんなも、頼んだらその時間を作ってくれた。
……もっとみんなで遊びたい気持ちもあるのに、こうして私のために。やっぱりすごく優しいな。
〈ヒナタは最近、GBNを始めたばかりだから。
だからこそもっとGBNを好きになって欲しいしそれに、ここにはまだまだいろんな場所があるって、知って貰いたい気持ちだって〉
彼は私よりも、ずっとGBNについて知っている。
ガンプラバトルについてだってそうだし、この世界にはどんな物が他にあるかって言うのも。……バトルの方はまだ苦手で前に数回、ほんのちょびっと一緒にやってみただけだけど、いつか本格的に頑張ってみようかな。
「私、GBNの事……大好きだよ。
ガンプラやガンダムが好きなたくさんの人が集まって楽しんでいる素敵な所だし、世界だってどこも面白い場所ばかりだもん。
それにヒロトがとっても大切にしている場所だから」
〈そっか〉
声だけしか聞こえないけど、そう言う彼も嬉しそうな気がした。
「あそこにも降りてゆっくり見てみたいな。ねぇヒロト、いいかな?」
〈もちろん問題ない。じゃああそこにあるエレベーターシャフトから降りよう。
多分ヒナタが考えてるよりもずっと大きいから、驚くと思うな〉
こうして過ごすヒロトとの時間。今日もまた……少しでも仲が深まってたら、いいな。
―――――
「今日も色々行けて楽しかった、ヒロト」
ガンダムベースからの帰り、私はヒロトと一緒に歩いていた。
時間はもう夕暮れ遅くでもうすぐ夜になりそう。
「俺もヒナタが楽しんでくれて、何よりだ」
そう言って彼は優しい表情を向けてくれる。
「……じゃあ次はどこに行こうかな? 海、それとも宇宙とか? うーん、悩んじゃう」
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