過去より
駆逐艦朝潮
内地 喫茶店
「…お時間を割いていただきありがとうございます」
「ん、気にしないで?しっかしあんたみたいにちっさい子もいるのーねー、話には聞いてたけど」
「私たちの分類は駆逐艦で、かなりの人数がいます」
「こんなちっちゃな子供にも、私たちの命預けてるんだなぁ…」
「……」
「まあいいや、私の名前は知ってるんだっけ?朝潮ちゃん」
「苗字だけでしたら」
「なら改めて自己紹介、速水晶良、晶良でいいよ」
「では、晶良さん、単刀直入に伺いたいのですが、司令官はどんな人だったんですか?」
「んー、まあ面倒なところからだけど、私たちゲームで知り合ったんだ、ネットゲームくらいわかる?」
「まあ、ある程度は、遠くの人とも一緒に遊べるって聞いてます」
「でも遊びじゃなかった」
「ゲームなんですよね」
「命がけのね、私は弟が意識不明の重体、アイツは、親友がそうなった」
「ゲームのせいで?なぜそんなことに」
「現代医学でも解明されてないけど、暗示の部分が強かった、というのが最近の見方ね、デジタライズ学とか、その辺は私も専門外だし…うーん、まあ、私とカイトは身の回りの人間のためにあの世界で戦ってた」
「結果は?」
「勝ったわよ、だから弟も、アイツの親友も助かった」
「…正直意味不明です」
「まあ、そうよね、別に理解する必要はないけど、あいつは真剣に、友達のために命をかけてた」
「それは素晴らしいことですね」
「色んな人の手を借りながら、色んなことをした、結局のところそれだけなんだけど…でも、アイツは勇者になった」
「勇者?」
「そう、勇者、ゲームの中でだけど、現実を救った」
「遊びでですか」
「そこが違うのよねー、伝わるかわからないけど、ネットってケータイからなんでもできるじゃない?パソコンでもね」
「私たちの鎮守府にも複数のデバイスがあります」
「そうそれ、例えば…」
スマホが目の前に置かれる
電源が入っていないらしく、画面は暗い
「この電源を切ったスマートフォン、これを手を触れずに操るにはどうする?体の部位って話じゃあないの」
意味がわからない
「ここで出てくるのがネットよ、もう一台のスマホで、これをハッキングしてしまう」
いつの間にかもう一つスマホが出てくる、それを操作していると机に置かれたスマートフォンに電源が入る
「わかった?」
「何がですか」
「ネットを使えば、それに繋がってるものはなんでも動かせちゃうの、もちろん、できることには限度がある、例えば他人のPCなんてセキュリティがあるし、そもそもそれにアクセスする力は私にはない」
「だから犯罪はできません」
「それをやる奴らはクラッカーって呼ばれてるわ、実際できる奴がいるし、いたのよ、それは人間じゃなくて、ネットの中にあるAI、人工知能」
「じゃあそれを削除すればいいじゃないですか」
「…じゃあ、そのスマホ、ロックを解除してみて?」
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/5
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク