爆炎が2つ、幻想郷で同じ時間に、違う場所で起こった。1つは妖怪の山の中腹から、もう1つは魔法の森から。妖怪の山から生じた爆炎は人里から容易に確認できるほど大規模なものであり、その爆炎が起こる僅か前にそれに至るまでの経緯を知るものが居た。八雲紫、その式神の八雲藍、この両名である。2人はスキマから、戦いの様子を見ていたのだ。
紫「....。」
藍「今回の騒動に関係する者達でしょうか.....。」
紫「ええ.....。おそらくね...、でもこれは、ひょっとすると面白いことになるかも.....。」
一方は頭に聳える角が特徴的な、鋼鉄の戦士を思わせる外観。そしてもう一方は、あからさまに妖怪....。と言うより怪物という表現が正しいと言える、青が混じった紫の身体を持った外観の者。この二体が、今後この幻想郷にどうかかわってくるのか、私は紫様の傍らで、トドメの一撃が入る光景を目に収めた。
紫「彼等は私が目を光らせておかなくてはね.....、興味が湧いて来たし....。」
藍「そうすると紫様、結界の方は....。」
紫「後は霊夢一人でも大丈夫よ。私はこの幻想郷に起こることを、しっかりと確かめたいの....。藍、貴女もゆっくりと休みなさい。」
藍「...はい。」
妖怪の山で、何かが起きた。そう誰もが思っただろう。人々が不安をあらわにして、妖怪の山を仰ぎ見る様子を見ていれば、嫌でも誰もが気付く筈だ。寺子屋の授業、午前の中頃に校外実習を控えている子供達を引率しながら、私、上白沢慧音は子供達と共に街路を歩く。
チルノ「けーね!なんか火が上がったぞっ!」
慧音「そうだな....、おそらく妖怪の山だから.....鬼が力比べを誰かにけしかけているのだろう....。アレくらいの爆発ならば、鬼が全力を出せば容易く起こせるものさ....。」
大妖精「チルノちゃん、興味があるからって行っちゃだめだからね!」
慧音「(しかし....妙だな、普段けんかっ早い鬼でも....、あのような炎は吐かない筈....。.....それに.....。)」
妹紅「慧音。」
街路を歩く私の前に、妹紅が足早にやってくる。何やら急いでいるようだ。火急の知らせ、と言うほどではない様子だが何か急ぎ言伝したいことでもあるのだろうか?
慧音「どうした、妹紅?」
妹紅「うん....。実は、昨日突然現れた神社のことなんだが.....。」
慧音「....なにかわかったのか?」
妹紅「自警団連中の話によれば、中には多数得体の知れない調度品などが、整った状態で残されているらしい...。」
慧音「....わかった、私も行く。」
[9]前話 [1]次話 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/1
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク