ハーメルン
奴隷転生~異世界に転生♂したら、美少女♀と間違えられ男の娘として生きています~
22話 隊商宿 23話 冒険者ギルド
隊商宿
その歴史は古く、多くの隊商宿が、都市と同時期に建設されている。
先人が土地を切り開き、村を作り、やがて城壁を作り町となる。
町の規模になると、多くの行商人の交易路となるが、治安維持の観点から、城壁外に行商人の為の宿が作られた。
そして、外周城壁が作られ都市になると、隊商宿はその中間に位置するようになる。
と、隊商宿の酒場の主人から、私は歴史を聞いていた。
手には銅貨2枚の葡萄酒。
銅貨2枚で知識が得られ、甘い葡萄酒を楽しめるのだから、安いものだ。
ちなみに、この国には酒に関する年齢制限はない。
そもそも、年齢を証明するものがないのだから。
扉をくぐった店内は、2階に続く階段と保管庫に続く廊下、そして、酒場としてそれなりの広さがある、この場所だ。
ただ、天気が良い為か、お客は外に酒を持ち出し、店内は私しかいなかった。
そして、私は奥の壁に何枚も貼られた紙が気になったので、聞いてみた。
「あの紙は、なんでしょうか?」
少なくなってきた葡萄酒を、注文するのも忘れない。
お客であるうちは、色々と教えてくれるのだ。
「ああ、ここは冒険者ギルドも兼ねているからな。あれは依頼表だ」
「冒険者ギルド!?」
ファンタジーでお馴染みの単語にワクワクして、葡萄酒を片手に、壁に駆け寄る。
依頼表の中身が、気になるのだ。
ドラゴン退治とか、あるのだろうか?
…
……
………
結論から言うと、ドラゴン退治はなかったが、薬草取りはあった。
ただ、私のイメージしていた冒険者ギルドとは、かけ離れていたのだった。
23話 冒険者ギルド
冒険者ギルド
その歴史は、隊商宿より古く、まだ多くの土地が魔物のはびこる未開の地だった頃にさかのぼる。
冒険者と呼ばれた彼等は、パーティを組み、未開の地を切り開いていった。
その冒険譚は、人気の物語として書籍化されている。
人々は、冒険者が制圧した土地に村を作り、冒険者ギルドは新しい拠点を村に作る。
そして、その先へと進む。
またリタイヤをした冒険者は、ある者は領主に、ある者は騎士に、開拓した村に定住する。
では、国家として平定された後の冒険者ギルドは?
壁に貼られた紙が、その答えを物語っていた。
外壁修理 1日 銅貨10枚
薬草取り 1束 銅貨3枚
ちなみに、薬草は管理された内周城壁外の土地に、植えられているそうだ。
透明竹加工 1日 銅貨8枚
小さな魔石1つ 銅貨3枚
魔石は、都市外の魔物を狩ると体内にあるそうだ。
その他、都市の雑用が多数。
酒場の主人が、教師気分で楽しそうに教えてくれる言葉を聞きながら、スカイブルーの少女の言葉を思い出す。
…冒険者ギルドって、身分がない人が行く所って聞いたよ?
まさにその通り。
浮浪者一歩手前の根無し草が、その日を生きる為に日銭を稼ぐ場所なのだ。
冒険者ランクなど、ない。
ただ、その土地の人々を手伝い、信頼を築けたら、その土地の住人になれるのだ。
都市外の魔物を退治しても、命をかけるに見合う金にはならない。
[9]前話
[1]次
最初
最後
[5]目次
[3]栞
現在:1/2
[6]トップ
/
[8]マイページ
小説検索
/
ランキング
利用規約
/
FAQ
/
運営情報
取扱説明書
/
プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク