始まりの記憶①
アルビノと言う訳でもないのに私の身体は一部は白く、普通では在り得ない造り物の様な光沢を放っていた。理由も分からず、時間が経つと共にゆっくり、ゆっくりとその白は身体を侵食していった。ただでさえ不気味な身体を持ち合わせていた私が他の人には見えない物が見えていると気付かれた時、周囲から化物として扱われるようになった。
流石に赤ん坊の頃の記憶は曖昧だが小さいころから考えて行動することが出来た。それが一層人間的でないとみなされ親も気味悪がり、無視するようになった。しかし外に出ない様に言い聞かされ、私が外に出ないで済むように動いていた。化物の親になりたくないと言う簡潔で利己的な理由だ。
流石に法律上で人と扱われる存在を勝手に処分するのは不味いと理解するだけの考えは持っていたようで、私の特殊な身体を理由に入院の必要は無いが介護が必要で家からは出れないと言う不幸な娘の親の顔を外にはしていたようだ。
少しでも悲しんだり、彼らへの関心を持とうという努力をしていたら何かが変わっていたのだろうか、そんなもしもの話は考えるだけ無駄である。言われた通りに家から出ずに知識を求めて行動していた。自分の見える物の存在があの時の私にはただただ不思議に思えた。今思えば子供としての執着心、拘りの様な物もあったのかもしれない。その対象が世間からは未知の物で、私しか理解できていない物だったのが問題だった。
自分の身体を含めて考察を纏めたり、色々と試したりと子供なりの実験の日々は彼らからしてみれば魔術師の儀式に感じられたのだろう。気持ち悪さが耐えられなくなった彼らは排除することがかなわない私に矛先を向け始めた。
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