ハーメルン
羽丘の元囚人
事件後

環那「__ん、んん......?」

 朝、俺はいつもと違うベッドで目を覚ました

 起き抜けって頭が回りずらくて落ち着かない

 なんだかボーっとする

ひまり「あ、おはようございます。」
環那「おはよう、ひまりちゃん。」

 眠い目をこすってると横からひまりちゃんの声が聞こえて来た

 俺は声のした方に顔を向け

 いつもの笑みを浮かべた

環那「早く帰ろう。ひまりちゃんは親御さんも心配するだろうし。」
ひまり「あ、はい。」

 俺はそう言ってベッドから出た

 こういう施設に入ったのは初めてだけど、意外と快適だな

 揃えるべきものは揃ってたし

 部屋の中は綺麗だし

ひまり「ありがとうございました、南宮さん。」
環那「別にいいよ。応急措置みたいなものだし。」

 そう言いながら上着を羽織った

 時計を見るとまだ朝の7時

 でも、早く帰るのに越したことはないだろう

ひまり「南宮さんは昨晩どうでしたか?」
環那「......特に、何もないよ。」
ひまり「!」

 俺は静かにそう言った

 ひまりちゃんは方を少し跳ねさせ

 こっちを見ている

環那「あくまで応急処置。俺には何の他意もないよ。」
ひまり「そう、ですか。」

 ひまりちゃんは少し残念そうにそう言った

 うわぁ、この男最低だ......とか思うかな?

 でも、割り切るためにはこういうのも必要なんだよ

 ここでいい雰囲気になったら後々大変だし

 切れるところで切るほうがいいかな

ひまり「やっぱり、リサ先輩となら何か思うんですか?」
環那「え?」
ひまり「2人は恋人同士なんですよね?なら、南宮さんも昨夜とは違う風になるのかなって。」
環那「なるほど、そう言う事か......」

 俺は少しだけ考えた

 仮に相手がリサで状況も違ったとする

 その時、俺は何を思うんだろうか

環那「......別に変らないんじゃないかな。」
ひまり「え?」

 ひまりちゃんは目を見開いた

 そして、慌てた声でこう尋ねて来た

ひまり「な、なんでですか?恋人同士、なんですよね?」
環那「もちろん、リサは特別だよ。」
ひまり「じゃあ......」
環那「じゃあ、なんでそう言うのか。その答えは絞られるよ。一つ目の可能性はありとあらゆる女の子を特別視してること。」
ひまり(それはない。)
環那「二つ目はただ単純に感情が希薄である事。そして、最後の可能性は......」
ひまり「最後は......?」
環那「リサやひまりちゃん以上に特別な子......1番がいる事。」
ひまり「!!」

 俺はそう言って近くの椅子に座った

 ひまりちゃんはお利口だからわかったかな

 まぁ別に大した問題でもないけど

環那「早く着替えて帰ろうか。」
ひまり「は、はい......(南宮さんの一番......誰なんだろう。)」

 それからひまりちゃんは畳んである服を着て

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