真意
”リサ”
リサ「__環那。」
あの地震から1週間が経った
結構大きな地震だったみたいで
町には所々被害を受けた場所もあった
勿論、Circleもその1つ
でも、Roseliaのメンバーは全員無事
友希那もかすり傷だけで済んだ
環那「あ、いらっしゃい。リサ。」
リサ「うん......」
でも、環那だけは違う
落ちて来た瓦礫から友希那を守って
......環那は、右腕を失った
環那「どうしたの?座りなよー。」
リサ「分かった......」
完全に不幸な事故だった
落ちて来た瓦礫の中に大きなものがあって
それに環那の右腕が下敷きになって
切断するしかなくなってしまった
環那がそれを知ったのは意識が戻ってから
でも、なぜか悲しそうな顔を見せなかった
リサ「環那、調子どう?」
環那「全く問題ないよー。すぐに動けるようになるってー。」
リサ「そっか、よかった。」
環那「ありがとうねー、毎日お見舞い来てくれて。」
リサ「いいよ。あたしが来たいだけだから。」
環那はいつも通り笑みを浮かべている
本当にいつも通り
それはとても、重症の患者には見えない
リサ「お腹すいてない?りんご持ってきたよ。」
環那「あー、食べたいー。」
リサ「じゃあ切るから待っててね。」
環那「りょーかーい。」
環那が緩い声でそう答え
あたしは袋からリンゴを出し
ゆっくり皮をむき始めた
”環那”
環那「いただきまーす。」
俺はりんごが乗った皿をテーブルに置き左手にフォークを持った
いやぁ、幼馴染が向いてくれたリンゴ
果たして何割増しで美味しくなってるんだろ
俺はそんな期待を抱きながらりんごを1つ口に入れた
環那「美味しいー。」
リサ「そっか、よかった。」
環那「リサが向いてくれたから何割増しにも美味しく感じるよー。」
俺はそう言いながらりんごを口に運ぶ
その間、ずっとリサから視線を感じる
なんだか思いつめた顔をしてる気がする
リサ「......ねぇ、環那。」
環那「んー?」
ちょうどりんごを食べ終えたころ
リサが静かな声で話しかけて来た
俺は使い終わったフォークを置き
リサの方に顔を向けた
リサ「なんで、友希那を助けたの?」
環那「えー?それは、幼馴染だかr__」
リサ「あたしだって、幼馴染だよ......?」
環那「!」
リサは悲しそうにそう言った
俺はそれを聞いて息を飲んだ
この雰囲気、いつものリサじゃない
こんな悲しそうな顔、初めて見たかも
リサ「正直に言ってよ。あたしより、友希那を助けたかったって......」
環那「......っ。」
リサ「そうなんでしょ......?」
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