ハーメルン
ソードフロンティア・オンライン
4

「ねえ・・・・なんだか寒くない?」

「そうなんだよな。オレも、さっきから寒いと思ってんだ・・・・」

メルキューレモンとの戦いに敗北し、捕らわれの身となった血盟騎士団。装備は全て奪われ、手足には拘束具、首には首輪、そして牢獄に入れられる。

「腹減った・・・・・もう一日たったのに、誰も来てくれないぜ?」

「オレたち、死んじゃうのかな・・・・・」

「嫌だぁぁぁ!こんなとこで死にたくなぁい!」

団員たちが不安にかられる中、副団長のアスナが立ち上がる。

「みんな、元気を出して!!こういう時は取り乱してパニックを起こすのが一番よくないのよ。落ち着いて救助を待ちましょう!」

「『「『・・・・・・・・・・・・・。』」』」

するとみんなの視線がアスナに集中する。

「???」

すると団員の一人が口を開いた。

「うるさいせぇ。黙ってろよ!!」

「!?」

アスナは目を見開く。

「偉そうなこと言うな!誰のせいでこうなったと思ってんだよ!?」

「そ、それは・・・・・・・」

「そうよ!全部あんたのせいじゃない!」

「こんなところまで来たのだって、捕まったのだって、全部副団長のせいだろ!」

「そんなっ・・・・!わたしは!」

「お前が命令に従えって言ったからだ!オレ、本当はこんなとこまで来たくなかったんだぞ!」

余りの言い分にアスナは声を上げる。

「黙りなさいっ!」

団員たちの言い分に、目に涙を溜めながらアスナが声を上げる。

「これ以上の侮辱は赦しませんっ!それでも続けるなら・・・っ!」

「続けたらなんだ?どうするんだ?俺たちを殺すか?処刑するのか?」

団員たちはさらに挑発する。

「お前にそれが出来るのか?やってみろ・・・・無力な『閃光様』・・・・」

その言葉を聞くとアスナは崩れ落ちるように泣き出してしまった。









その頃、街では・・・。

「そうだな〜。まずはパーティを組んでくれそうな人を今日中に探すか・・・・。」

「今日中にですか?」

「出来ればな。ダメなら俺たち二人だけで行くだけだ。」

そんな会話をしていると、

「おっ、シリカちゃん発見!」

二人の男子プレイヤーたちがやってきた。

「随分、遅かったんだね。心配したよ。」

「今度、パーティーを組もうよ。好きなところに連れてってあげるから!」

そんな彼らにシリカは申し訳なさそうな顔をする。

「お話はありがたいんですけど・・・・・」

シリカは拓也に視線を移すと

「しばらくこの人とパーティーを組むことにしたので・・・・」

彼の腕にしがみ付く。

「『ん?』」

その様子に男子プレイヤーたちは拓也を睨む。

「すみません。」

それだけ言うとシリカは拓也と一緒に去って行った。

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