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「ねえ・・・・なんだか寒くない?」
「そうなんだよな。オレも、さっきから寒いと思ってんだ・・・・」
メルキューレモンとの戦いに敗北し、捕らわれの身となった血盟騎士団。装備は全て奪われ、手足には拘束具、首には首輪、そして牢獄に入れられる。
「腹減った・・・・・もう一日たったのに、誰も来てくれないぜ?」
「オレたち、死んじゃうのかな・・・・・」
「嫌だぁぁぁ!こんなとこで死にたくなぁい!」
団員たちが不安にかられる中、副団長のアスナが立ち上がる。
「みんな、元気を出して!!こういう時は取り乱してパニックを起こすのが一番よくないのよ。落ち着いて救助を待ちましょう!」
「『「『・・・・・・・・・・・・・。』」』」
するとみんなの視線がアスナに集中する。
「???」
すると団員の一人が口を開いた。
「うるさいせぇ。黙ってろよ!!」
「!?」
アスナは目を見開く。
「偉そうなこと言うな!誰のせいでこうなったと思ってんだよ!?」
「そ、それは・・・・・・・」
「そうよ!全部あんたのせいじゃない!」
「こんなところまで来たのだって、捕まったのだって、全部副団長のせいだろ!」
「そんなっ・・・・!わたしは!」
「お前が命令に従えって言ったからだ!オレ、本当はこんなとこまで来たくなかったんだぞ!」
余りの言い分にアスナは声を上げる。
「黙りなさいっ!」
団員たちの言い分に、目に涙を溜めながらアスナが声を上げる。
「これ以上の侮辱は赦しませんっ!それでも続けるなら・・・っ!」
「続けたらなんだ?どうするんだ?俺たちを殺すか?処刑するのか?」
団員たちはさらに挑発する。
「お前にそれが出来るのか?やってみろ・・・・無力な『閃光様』・・・・」
その言葉を聞くとアスナは崩れ落ちるように泣き出してしまった。
その頃、街では・・・。
「そうだな〜。まずはパーティを組んでくれそうな人を今日中に探すか・・・・。」
「今日中にですか?」
「出来ればな。ダメなら俺たち二人だけで行くだけだ。」
そんな会話をしていると、
「おっ、シリカちゃん発見!」
二人の男子プレイヤーたちがやってきた。
「随分、遅かったんだね。心配したよ。」
「今度、パーティーを組もうよ。好きなところに連れてってあげるから!」
そんな彼らにシリカは申し訳なさそうな顔をする。
「お話はありがたいんですけど・・・・・」
シリカは拓也に視線を移すと
「しばらくこの人とパーティーを組むことにしたので・・・・」
彼の腕にしがみ付く。
「『ん?』」
その様子に男子プレイヤーたちは拓也を睨む。
「すみません。」
それだけ言うとシリカは拓也と一緒に去って行った。
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