5
拓也とシリカは街中を歩いていた。
「すみません、迷惑かけちゃって。」
「お前、人気者なんだな・・・・・。」
「いえ、マスコット代わりに誘われてるだけですよ、きっと。」
シリカの声が段々と弱々しくなる。
「それなのに『竜使いシリカ』なんて呼ばれて・・・・良い気になって・・・・・」
「心配ないぜ。」
「えっ?」
「必ず俺が連れて行ってやる。」
拓也はシリカの頭を優しく撫でた。
「はい。」
彼の言葉にシリカは強く頷く。
「それと、明日は俺たちだけで行こうぜ。」
「えっ、どうしてですか?」
シリカ目当てのプレイヤーしかつれないと直感した拓也は、即パーティの勧誘を諦めた。
「それなら私が使っている宿へいきましよう!あそこチーズケーキが結構いけるんですよ!」
そう言いながらシリカはハシャギだす。すると
「あーら、シリカじゃない?」
シリカの元パーティメンバーたちが現れた。
「へぇ、まだ生きてたんだ?よかったわね。」
シリカは顔を歪める。そんな彼女にリーダーらしき女性プレイヤーは顔を歪ませて笑う。
「あら、あのトカゲ、どうしちゃったの?もしかしてぇ・・・・・・」
「ピナは死にました。でも絶対に生き返らせます!」
「へぇ、てことは思い出の丘へ行く気なんだ?でもアンタのレベルで行けるの?」
クスクス笑う彼女に拓也はゆっくりと口を開く。
「出来るさ。俺が必ず連れてってやる。」
すると女性プレイヤーは拓也に視線を向ける。
「あんたもその子にたらしこまれたくち?みたとこそんなに強そうじゃないけど・・・・・」
拓也は眉間にシワを寄せるが、シリカを連れてそのまま歩き出した。
「何であんないじわる言うのかな・・・・・」
拓也に手を引かれながらシリカは小さく呟く。
「お前、強いな。」
「え?」
拓也は振り向き、シリカに話しかける。
「泣かなかった。しかもアイツらに言い返してた。お前、カッコよかったぜ。」
「/////えっ・・・・・・そ・・・それは・・・・///////」
拓也の言葉にシリカは顔を真っ赤にする。
その頃、
ガンガンガン!
「総員起床!おら、さっさと起きろ!」
いつも寝泊まりしているバラックを出て、川でを身体を洗ったアスナは監視しているデジモンの一声で、今日も長い労働が始まる。アスナの周りには、彼女と同い年位の女の子が10人位いる。全員装備は何も着けていない。ここでは常に同じ格好・・・・つまり、全裸でいなければならない。嘗ては「閃光」、「攻略の鬼」と呼ばれていたアスナも今は、唯の奴隷。デジモンの為働く家畜なのだ。
「169899!」
「・・・・・・・。」
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