痺れるような修行
「はっ!」
霊夢は日本語ではない言葉を喋り、金剛力士の阿形のポーズを取る。
すると阿攻という赤い文字が胸に現れ、彼女の体は赤い気に包まれる。
「...やっぱ気持ち悪!」
霊夢は口に手を当てて、吐き気を押さえる。
(贄代わりの形代使っても気持ち悪い..!紫はこの御霊降ろしを何回も連続使用してた奴もいるから大丈夫とは言ってたけど...こんな気持ち悪くなるのにそんなバカいるわけないでしょ!)
一心は霊夢へ向かって走る。
「せやぁぁ!!」
一心は十文字槍を霊夢目掛けて振り下ろす。
すると今まで攻撃を避けていた霊夢が、お払い棒を使って攻撃を受け流したのだ。
「むぅ!?」
「強っ!そんな細い手首でどっからそんな力でるのよ!」
一心は懐から銃を取り出し、霊夢に向けて発砲。
だがその前に彼女は札を四枚目の前の空間に張り、青い半透明な壁を作り出す。
壁はヒビが入るも銃弾を受け止めた。
「ぬぅ!」
「そんなものも持ってたのね」
すると一心は銃をしまい、その場で一回転すると同時に十文字槍で薙ぎ払う。
壁は破壊され、札は灰となって消えた。
「亀裂が入ってたとはいえ結界を破るなんてやるじゃない」
「でぇい!!」
一心は高く飛び上がり霊夢目掛けて十文字槍を振り下ろすも、避けられた上に懐へと侵入を許す。
そして彼女はバク転をしつつ一心の顎を蹴り上げる。
「昇天脚!」
「ぐぉっ!」
一心は顎を押さえ、後ろに下がる。
「やっぱり筋力は上がるわね...」
「ぬぅぅん!」
一心は不死斬りを横に払うも、霊夢のお払い棒によって弾かれる。
霊夢は後ろに飛ぶと同時に、札を三枚一心へと投げた。
札は全て不死斬りによって落とされるも、一心は札の固さに驚いた。
「ただの紙ではない...まるで鉄のような固さじゃ...」
「私特製のありがたーい御札を叩き落とすなんてバチが当たるわよ」
「カカカッ!面白き女じゃ!」
一心は不死斬りを持つ手に力を込める。
「はぁぁぁい!!」
すると一心は鞘にしまうことなく、秘伝竜閃を放った。
霊夢は竜閃を弾くも、腕に相当な負担がかかり痛がっている。
「痛ッ...あんたの攻撃受けるもんじゃないわね」
「まだじゃあ!!」
一心はもう一度竜閃を放った。
しかし霊夢は左へ走り、竜閃を避ける。
すると霊夢を包んでいた赤い気が消え去り、霊夢は再びお払い棒と形代を取り出し喋り始める。
「今度は...これ!」
霊夢は形代を上に投げて、両腕を広げ片足を上げるポーズをとった。
(恥ずいったらありゃしないわね!)
すると剛幹という黄色い文字が霊夢の胸に現れ、黄色の気が霊夢を包み込む。
「さぁかかってらっしゃい!」
一心は軽く飛び上がると、霊夢に二回不死斬りを食らわせる。
霊夢はお払い棒で一心の攻撃を難なく防御した。
しかし先程とは違い手を痛がる様子もなく、一心は不審に思う。
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