ハーメルン
冥界に剣聖あり
閻魔の約束

「だーかーら!ボンって想像してバーンって手から出すの!」
「.....」

あらゆる所に包帯を巻かれたレミリアと一心は、戦いのあと宣言通り酒を酌み交わしていた。

「のうレミリアよ。確かにわしはあの紅く光る槍をどうやってその手から出したかを聞いたが...その説明ではわからぬぞ」
「これだから人間は...どうしてわからないのかしら!」

レミリアは猪口にある酒を飲み干しながら怒鳴る。
顔も赤くなっており、かなり酔っているようだ。

「てかそもそも魔力もない貴方にできるわけないでしょ」
「魔力...とな」
「ていうか槍ならもう持ってるじゃない」
「カカカッ!確かにな」
「あー...お酒は傷に染みるわねぇ」
「だがうまぁい!」
「うまぁい!じゃないわよ!誰のせいでこんな傷だらけになったと思ってんの!?」

一心も猪口に注いだ酒を飲む。








妖夢は料理を作り終え、ようやく宴会に参加していた。
幽々子はお腹いっぱいと話し、風に当たってくるとのこと。
なのでレミリアの付き添いで来ていた咲夜と一緒に飲んでいた。

「...咲夜さん、一心さんをどう思いますか?」
「...元気な人って感じかしら」
「あ、えっと...言葉足らずでした。あの人の強さをどう思いますか?」
「...確かにお嬢様を戦闘不能まで追い込んだのは評価する。ただそれだけよ」
「...咲夜さんなら勝てますか?」
「お嬢様には悪いけど、正直余裕よ」
「え!?」
「私の能力知らないわけないでしょ?あれは弾幕ごっこよりもむしろそう...実践向きだからね」

咲夜は時を操る能力を持つ。
すべてが止まった世界で、彼女のだけが動ける。
流石に時の前には一心もどうしようもないだろう。

「時を止めた世界で一心にナイフを刺す...何てことはできないけど、百本や二百本のナイフを用意して囲めばあっという間よ」
「な、なるほど」
「まぁ...実際はどうなるかわからないけどね」

咲夜は妖夢の作った料理を食べる。

「ん...腕あげたわね」
「あ、ありがとうございます」
「後でレシピ教えて頂戴」






しばらくして、宴会はようやく収束し始めていた。
レミリアは酒がまわり、咲夜の膝の上で熟睡。

妖夢もうたた寝していた。

一心は酒を片手に縁側へと移動し、幽々子と共に飲んでいる。

「この暗き空も...慣れてしまったな」
「ずっと夜もいいものでしょ?」
「...ぷはぁ...ああ、悪くない」

すると一心の隣に、いつのまに来たのか八雲紫が座ってきた。

「こんにちは、一心さん」
「八雲か」
「この度は勝利おめでとう。私からのお祝いよ」

紫は持っていた酒壺を一心に渡す。
彼は酒壺に入った匂いだけで、その中身が何かわかった。

「ほぉ、竜泉か!」

早速一心は猪口に注いで、一気に飲み干す。

「..かぁ!うまぁい!流石は竜泉じゃ!」

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