博麗
映姫が訪ねて来てから何時間過ぎただろうか。
レミリアは寝たまま起きなかったので、咲夜は主を抱えて館へと戻ると話し冥界から去っていった。
一心はというと、あのまま飲み続けて縁側で寝てしまっている。
そんな一心とは違い、妖夢は急いで朝食の準備に取りかかろうとしていた。
昨日は宴会の途中で寝てしまい、すっかり寝坊してしまったからである。
「ああー...早く作らないと幽々子様に怒られる!」
妖夢は直ぐに台所へと走る。
そして辿り着くと、そこには驚きの光景があった。
ご飯や味噌汁、焼き魚や煮物等が既に出来上がっていたのだ。
「あ、あれ?」
「遅いわよ妖夢」
台所には誰かが立っていた。
黒のまっすぐで綺麗な髪。
袖が無い肩と腋の露出した赤い巫女服、後頭部に縫い目入りの大きな赤いリボン。
楽園の素敵な巫女 博麗霊夢である。
「霊夢さん!?どうしてここに!?」
「あのバカスキマ妖怪がいきなりここに連れてきたのよ。んで腹空かしてさ迷ってた幽々子に頼まれ朝食作ってるわけ」
「ゆ、幽々子様が?」
「どっかの半人半霊の庭師が酒飲んで眠ってたからね。作る条件に私も食べる事を加えたけど」
「え、す、すみません」
「いいのよ、私もお腹空いてたし」
「て、手伝います」
妖夢は直ぐにエプロンを着て、調理を手伝う。
誰かが頬を叩いている。
心地よく寝ていたのに、誰が叩いているのか。
「...むぅ」
一心はゆっくりと目を開けると、そこには見慣れぬ女性の顔があった。
「...誰じゃ」
「ほら起きなさいおじいちゃん」
「...おじいちゃん...?」
女性は一心の肩を持って無理矢理起こす。
「ほぅら!朝食出来たから食べちゃいなさい!」
「なんじゃ...んん...いい匂いじゃ」
「ちょっと妖夢!あんたも手伝いなさい!この人無駄に身長高くて重いんだけど!」
「ええ!?私もですか!?」
「ご飯冷めちゃうでしょ!」
「...それで、お主は誰じゃ」
「博麗霊夢よ」
「博麗...」
一心、幽々子、妖夢、霊夢の四人は朝食を食べている。幽々子はまるで掃除機のようにご飯を食っていた。
妖夢は茶碗に白米がなくなると、直ぐ様盛りつけて主人の前に置く。
これが当たり前なのだから、驚きだ。
そんな早業を無視して一心と霊夢は話し始める。
「さて...博麗とやら、ここに何用じゃ」
「紫にいわれてきたのよ。最近してる修行の成果を一心って人に戦って見せろって」
「ほぉ、ではお主八雲の客か」
「そういうことね。あんたが一心?」
「そうじゃ!」
「ちょっと背が高い普通のおじいちゃんじゃない。片方の目塞がってるけど」
「む...」
霊夢は一心の風貌など全く気にせず、味噌汁やご飯を味わっている。
すると不意に一心は、霊夢にある質問をした
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