ハーメルン
白兎が精霊に愛されているのは間違っているだろうか?
ギルドとステータス

ーギルド本部



「アイズ・ヴァレンシュタイン氏の情報を教えて欲しい? どうしてなの?」

 

「えっと……それは、ですね……」

 

 金髪の女性冒険者――アイズ・ヴァレンシュタインさんにあの現場を目撃されて逃走した僕は、すぐさまダンジョンから出てギルド本部へと向かった

 

 僕がギルドに入ると、偶々ギルド本部の出入口にいたエイナさんにお願いして話す場を用意してもらったのだ

 

 そして今、ロビーから少し離れた面談用の椅子に座っている僕は、向かいの椅子に座っているエイナさんに情報を聞き出そうとしている。アイズ・ヴァレンシュタインさんについて

 

「ご、5階層より下に行こうとしたら偶々お会いして――」

 

「ちょっと待って、ベル君。いま、5階層より下って言わなかった?」

 

 僕が言ってる最中、突然エイナさんがこめかみをピクピクしながら遮る様に質問してきた。

 

 ……あっ、しまった。今の僕は5階層より下に行っちゃいけないんだった。エイナさんから何とか5階層へ進むのを許可してくれたのに、それを平然と破る事をしてしまったから。

 

「ご、ごめんなさい! 分かってはいたんですけど、倒したモンスターが余りにも弱過ぎて・・・」

 

「そう言う問題じゃないの! ダンジョンのモンスターを甘く見たら簡単に命を落とすって、講義の時に何度も言ったじゃない!」

 

 はい、言ってました。今のエイナさんには信じてもらえないと思うけど、僕にとって上層のモンスターは本当に弱過ぎて大した稼ぎにならなかったんです!


 
「とにかく! これも何度も言ってるけど、冒険者は冒険しちゃダメ! 良い?」

 

「は、はい。気を付けます。すいませんでした・・・」

 

 そう思いながらエイナさんのお説教を一通り聞き終えると、漸く本題に入ってくれた

 

「それで、アイズ・ヴァレンシュタイン氏の情報なんだけど・・・ギルドとして教える事が出来るのは、公然となってる情報だけよ?」

 

 と言って、エイナさんは親切に教えようとしてくれる。


ギルドとしては相手の個人情報は教えれない決まりになってるけど、ギリギリの範囲で教えてくれるエイナさんに感謝だ。

 

「アイズ・ヴァレンシュタイン。ロキ・ファミリアの所属で、現在は『Lv.5』。剣の腕はオラリオでも一~二とされ、神々から授かった称号は『剣姫(けんき)』」

 

「あ、その位は僕でも知ってます」

 

 冒険者になる前、家族(ファミリア)探しの時からヴァレンシュタインさんの噂は何度も耳にした。だからエイナさんが言った内容は既に知ってる。


 どんな人なのか会ってみたいなぁって思ったんだけど、ロキ・ファミリア所属と聞いた途端に複雑な気持ちになった。ファミリア探しの時にのホームへ行った際、怪しい奴だと言われて門前払いされたのだ

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