ハーメルン
英雄伝説 月光の死神(書き直し)
幼馴染

 Ⅶ組発足から早くも半月。月に一度ある自由行動日と呼ばれる日の前日が来る。この半月はそれなりに楽しんでいた。授業のレベルはそれなりに高いけどついていけないわけでない。中でも得意分野の3教科。帝国史と数学、工学関係はお手の物だ。
 他の教科も手を抜きさえしなければ問題はないだろう。どちらかというと問題はある2ペアか。早めに何とかして欲しいのだが……。


「という訳で明日は自由行動日よ。基本的には何をしてもいいわ。部活に校内活動、届け出を出せば帝都に行っても大丈夫。何だったら私のように一日寝ててもいいわ」
(職務怠慢にも程があるだろう……)


 教官がこのような感じだ。一回誰かに雷を落とされればいいと度々思っているが無いという事は他の教官は諦めているのだろう。 
 私としてはもう少ししっかりして欲しい。教える身は大変だとは思うがどうしても先生を思い浮かべてしまう。私に色々と教えて頂いたあの人を。


(取り合えず明日は一日部屋に籠るか)


 明日の事を考えている間にもホームルームは終わり、私は教室を出て真っ直ぐ寮に戻ろうとしたのだが、教室を出てすぐにクロウが待ち構えていた。


「よぅ。お疲れさん」
「……誰ですか?」
「は?何言ってんだお前?」


 クロウは溜息を吐きつつ右腕を首に回してくる。どうやら私を逃がす気はないらしい。仕方が無いか。明日の事も含めて少し話しを聞いても貰おう。


「少し付き合ってくれ幼馴染」
「いいぜ。晩飯でも食いに行くか。臨時収入もあったしな」


 臨時収入……?少し気になるな。そこそこ金の使いに荒い彼が臨時収入を得るなんてあり得ない……と疑うのは良くないか。


「言っておくが先輩のお前が奢りだぞ」
「いやいや割り勘だろ。お前さんの方が持ってるんだから」
「情けない先輩だな。小父さんに鍛えられた博打術で少しは稼いだらどうだ?」
「それが出来たらいいんだが……って俺が何時も負けてる言い方するなよ!」


 あながち間違ってはいないだろう。去年の夏至祭の競馬も外していた。因みに私は穴を当てて数百万ミラを当てている。それを知ったクロウは本気で泣いていたが……その後は知らない。次の日には立ち直っていたからな。


「んじゃ行くぞ。食堂でいいか?」
「出来れば自炊したいが……」
「それもいいが、たまには外で食べよう。まだ食材も揃ってないだろ」
「それもそうか、なら明日にでも買い出しに行こう」
「そん時は俺も付き合うぜ。行くぞ」


 やや引きずられる形で食堂に向かう。外は既に日が沈んでおり、時計を見ると寮の門限まで3時間を切っている。ゆっくり食べれる時間はなさそうだな。
 

「どうだ学院は?」
「それなりだ。色々と問題はありそうだがそれも学生生活の1つだろう」
「俺以外に猫被ってるのもか?」
「別にいいだろう。時にはブルブランのように演じるのも必要だ。士官学院に入学したのは執行者の私ではなくただの私。お前の幼馴染だ」
「それじゃその幼馴染に甘えて今日は……」
「ご馳走様です先輩?」


 自分で言うのもなんだが、義妹に負けない笑顔で言いクロウに反撃の予知を与えない。うん、意外と性格を切り替えて幼馴染の反応を見るのも楽しいな。

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