ハーメルン
英雄伝説 月光の死神(書き直し)
特別実習ケルディック編①

 話をした後、最初に向かったのは東ケルディック街道。初めに一番厄介な魔獣討伐を片付ける事になった。その道中に一通り戦術リンクと各自戦い方を確認していると、ラウラが何かを言いたそうにこちらを見てくる。大方、油断しない程度に加減している事に気付いているのだろう。


「それにしても……アリアの射撃は正確ね。魔獣が近づいて来た時の対応も完璧だし」
「間合いをきちんと見極めれば簡単だよ。相手の動きをよく見て予測。魔獣の類にも癖があるから」


 と言ったのは良いが、実際は経験を頼りにしている。他の執行者に比べて力は劣る。単純な力ならヨシュアとあまり変わらない。なのに格上の執行者と互角に戦えるのは、先生や兄さんに徹底して鍛えられたから。技術と頭脳を生かした戦い方を生かせば、格上相手にも勝てる。


(と言ってもマクバーンのように、戦術を力だけで壊されたら意味がないけど)


 彼だけは絶対に許せない。レオンハルトですら一本取ったのに、マクバーンは追い詰められたら劫炎で吹き飛ばしてくるし。お陰で異能を上限目一杯まで引き上げて暴走寸前だし。クロウには叩かれるし。散々な目になった。


「見つけたぞ」
「そのようだな。油断せず討伐しよう」
「えぇ。全力で支援するわ」
「回復任せて」


 発見した手配魔獣を戦術リンクを駆使して討伐。その様子を援護しながら見ていたけど、やっぱりリィンの中身は気のせいではなさそうだ。オリエンテーリングから気になってたけど。


(混ざり具合は私よりマシだけど、ちょっと危ないか。人の事言えないけど)


 アレを抑えるのに強い自分を作っている時点で彼と一緒か。何か切っ掛けがあればいいけど。そう簡単にはいかない。私は何時も……やめておこう。自分を責めるのは嫌だ。


「次行くわよアリア」
「了解」


 アリサ達と共に次の依頼に。向かったのは西ケルディック街道。最初は街道灯の交換で、リィンがやると言っていたのだが、心配だった私は言った。


「パスワードは覚えてる?」
「確か55……えっと手帳に……」
「アウト。私がやるね」


 リィンから交換する街道灯を受け取り手短に交換。時間をかけると魔獣が寄ってくる可能性があったのだが、3秒程度で終わらせたので魔獣は現れなかった。


「ふぅ。何でこんな消耗品使ってるのかな?中身を変えたら半永久的に光るのに。無駄な所にミラを使いすぎ」
「……(ねぇ。いつ交換したか見えた?)」
「……(ほんの一瞬だったよね。とても手慣れているというか。得意なのかな?)」
「……(ここは任せて正解だったみたいだな。少し愚痴ってるけど)」
「……」


 あれ?何か視線を感じるんだけど。特に変わったことはしていない気がする。キャラも崩れて……あぁ。もしかして今の作業の事か。もう少し時間をかけるべきだったかな。暇さえあれば端末やクロウの相棒弄ってたし。少し気を付けよう。


「さて、次に行こう。もたもたしてると日が暮れるよ?」
「あ、ちょっと待ってよ」


 何とか誤魔化すために、一足先に次の依頼に向かうのであった。







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