ハーメルン
百合ゲー世界なのに男の俺がヒロイン姉妹を幸せにしてしまうまで
10話 学校

 朝、うちの顔に朝日が差し込んだ。布団から体を起こして背伸びをする。まだ眠気が取れずウトウトしながらも布団をたたむ。

 うち以外はまだ誰も起きておらずうちの地域、いや……県、いやいや関東、いやいやいやいや世界、いやいやいやいやいや宇宙一の可愛い姉妹たちが天使も尻込みするような女神のような顔でスヤスヤと寝ている。


 千冬の寝顔をうちは見る。あー、可愛い。茶髪もふわふわしている。だらしなさそうに口の開いた寝顔。カメラが合ったらパシャリとシャッターを切りたい。まぁ、姉妹でも勝手に写真で撮るのは嫌がられるかもしれないからやらないが。


 今度は千秋。銀髪が輝いている。ああー、可愛い。ん? 眼が少し腫れているような……どうしたんだろう。もしかして、昨日の夜一人で泣いてた? 

 悪い夢でも見たのだろうか? 色々あったもんね。今が幸せでも思い出してしまう事もあるだろうし。あとでハグして頭をなでなでしてあげよう。ついでに耳かきも……


 さて、最後は千夏。まさに金塊。黄金の髪の毛。涎を垂らして寝ているのも、いと可愛い。可愛い。大事な事だから何でも思ってしまう。可愛いと。

 いつもの凛とした目は閉じている。まつ毛も長くてパーフェクト。パーフェクトシスターだ。


 うちの妹達は今日も可愛すぎる。


 こんな時間を永遠と過ごしていても良いのだがそんな訳にはいかない。何故ならば今日から学校に行かなければならないから。うち達は今日からこの近くの小学校に通う事になっている。

 今までは夏休みであったから九時ごろまで寝られたけど、もう、そうしてはいられない。


「皆、起きて。朝だよ、学校に行く準備を……」
「んんッ……」
「「すぴー、すぴー」」



そう言って起きてくれたのは千冬。流石しっかり者の千冬、いつも助かっているありがとう。

「おはようっス……春姉……」
「うん、おはよう」

千冬は起きてくれたが未だにウトウトしており、眼も開いたり閉じたりを繰り返している。多分、まだ寝ぼけているんだろう。


「……キクラゲはどうなったんスか?」
「起きてー、千冬ー、今日から学校だよー」
「はッ! そうだった!」


どうやら、完全に起きてくれたようだ。でも、寝ぼけている姿も可愛いかった。起きた彼女はそのまま千秋の方に寄って体をゆする。


「秋姉ー、朝っスー」
「んーん!」

千冬が体をゆするとまだ起きたくないのだろう。一枚だけある掛布団で頭を隠す。そのままモグラのように隠れてしまった。

「隠れてないで、起きるっス! 千冬だって寝てたいんス!」
「んーー!!」


掛布団の引っ張り合い。思わず見てしまうがうちは千夏を起こさないといけない。


「千夏ー、起きてー」
「……」
「千夏が朝弱いのは知ってるけどお願い起きてー!」


うちは千夏の体をゆする。しかし、彼女は起きない。一切目を開けず、体も動かさない。


「千夏ー!」
「ん……すぴー」


一瞬反応するが再び夢の世界に旅立っていく千夏。本当は寝かしておいてあげたいけど起こさなと。

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