第二章 2節 黒ミサの開幕
どうも小暮マミです。現在、私は涼子とゼノンと一緒にバンド練習を行っていた。
一曲、蝋人形の館を歌い終わる。
「ううん、しばらくは私が弾き歌いをしても良いけど、やっぱりギター専門の人がいた方がいいよね。」
こんな時に思い起こされるのはイサミのギターの頼もしさを思い知らされる。私ではイサミのように皆を惹きつけらようなギターは弾けない。情けないな。
そしてその次の日の昼、学校の屋上でギターを弾いていると
「ああ、聞いたらんないわ。」と屋上のタンクの上から人影と共にそんなセリフが聞こえて来る。
「誰?」
「あれ、あんた、隣のクラスの小暮だよね。私、大橋かおりだ。なんださっきの聞くに絶えない演奏はよ。貸してみろ。」
と私のギターを取り上げて、小型のアンプを取り出して繋げて、さっき私が弾いていたJack the ripperのフレーズを弾いてみせる。
「まあ、こんな感じかな。」
なんてこった。こいつ、今、私が弾いてるのを聞いて一瞬で、いやはや、イサミ、あんたが涼子をスカウトするって決めた時、こんな感じだったのかな。
「ねえ、大橋さん」
「なんだ?」
「少し、相談があるんだけど、よかったらなんだけど、私たちのバンドに入らない?」
「お前達のバンド?」
「そう、ジ・エンド・オブ・センチュリーって言うんだけど」
「え、お前が?」
「ええ、私、ヴォーカルやってます。」
「お前が閣下なの?」
「ええ、そうなりますけど」
「はははっ。そっか、お前があのセンチュリーのヴォーカルなのか、ならよ。あいつに合わせてくれないか?」
「あいつ?」
「そう、ダミアン浜田」
「あ、えっと、その」イサミのことを聞かれて少し戸惑ってしまった。
「どうした?」
「ん、もし大橋さんがうちに入ってくれるとして黙ってることは出来ないから、正直に全部教えておくね。」
と私は大橋さんにこれまでの経緯を話して行く。
「なんだよ。通りで最近、お前達のバンドの自然消滅説なんて噂が出回るはずだぜ。」
「ははは、でも私達もイサミの気持ちを察してあげられなかったのは本当に辛かったな。」
「お前達にも色々あんだな、それになんだかんだメジャーデビューを目指してるって言うその心意気、今のリーダーであるあんたに惚れたぜ。なあ、私に悪魔としての名前をくれないか、あんたにつけて貰いたい。」
すげぇ、なんかすげぇ軽いノリでギターが加入することになったんだけど、名前か、名前、やっぱり大橋だしな、よし
「貴様の悪魔としての名前はジェイル、ジェイル大橋だ!」
「いいねえ、ジェイルか、オーケー、閣下、このジェイル、あんたに一生、着いてくよ。」
「よろしく、ジェイル」
「ああ!」
こうして、私達の第二次センチュリー構成員に正式にギターとして、ジェイルこと、大橋かおりが加入することになった。
そして、色々と驚かれはしたものの、大橋、いやかおりさんの加入は滞りなく、受け入れられ、借りられる練習スタジオで練習をしていると、涼子が皆に相談を持ちかけた。
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