ハーメルン
テンプレバスター!ー異世界転生? 悪役令嬢? 聖女召喚? もう慣れた。クラス転移も俺(私)がどうにかして見せます!
第3話 樹ー通学路とキャラ紹介とクラス転移
朝の通学路。
夢で大冒険をするにしても、俺と由依は中学生。
学生さんなのだ。
「でさ、やっぱり憑依が一番楽なわけよ。無茶出来るし。」
「まあ、わからなくもない。最近になると、もう俺は自分自身が主人公だと物語の攻略に本気になれない」
「あ、それわかるかも。私は他人のハッピーエンド見るの好き」
一般人には全然わからない話をしながら、2人で登校するのは、毎日の日課だ。
「あ、俊平ちゃんだ!」
「ん? 本当だ。後ろからこっそり佐之助が近づいてるが?」
そんな通学路で、身の丈に合わない学生服を着て、学生カバンをえっちらおっちらと重そうに両手で抱えて歩いている男の子。
彼は同じクラスの緑川俊平。
中学生にもなって、あろうことかクラスメイトの誰よりも身長が小さい学校のマスコット。
そして、その後ろから、なにやらイタズラをしようとしている佐之助。佐之助は樹と由依に気づいたようだが、唇に人差し指を立ててジェスチャーする。
いいだろう。俺と由依もこっそりと俊平の背後につく。
「俊平!」
ひょいっ
「ぴゃ―――!!」
突然、腋から手を突っ込まれて持ち上げられ、俊平は情けない悲鳴を上げる
おそるおそる振り返ると、そこにいたのは
「佐之助! 樹くんと由依ちゃんも!」
「ようっ」
「おっす」
「おはよー」
まあ当然、俊平の友人。エロガッパの西村佐之助。
彼は写真部に所属するカメラマン。女子のキワドイ写真を撮るために粉骨砕身している猛者である。
そんな彼は俊平とは小学生時代からの幼馴染であり、親友らしい。
「相変わらず軽いな!30kgもないんじゃないか?」
ひょいひょいと俊平の身体を上下に上げ下げしながら佐之助はケラケラと笑う。
「あ、あるよ! ………四捨五入したら」
「四捨五入しないといけないのかよ。」
そういって俊平を肩車する佐之助。佐之助の身長は160cmと中肉中背だが、その軽すぎる体重に納得できるほどの低身長である俊平なら全く苦にならずに肩車をする事が可能だったようだ
俊平も複雑そうに佐之助の頭に腕を回して落ちないようにする
俊平にとっても、この年になって肩車というのは、存外に恥ずかしいものであった
しかし、悲しいことにお子様体型である俊平にはこれ以上ないほど似合っていた
「それで? 佐之助はなんで朝っぱらから僕のところに肩車しにきたの? いっしょに登校なんてガラじゃないでしょ? 樹くんと由依ちゃんはおはよう。」
自分がお子様体型なことはもう仕方のないことだも諦め、佐之助がなぜここにきたのかを問う。
「おうよ。お宝画像を手に入れたから、ちょっくらお前さんにもお裾分けをと思ってな。ほら、修学旅行が近いだろう? 写真の整理をしていたら出てきたっぜぃ!」
そう言って懐から人差し指と中指で挟んでシュビッ! と3枚の写真を取り出すと、頭の上の俊平に一枚差し出した
「これ? ぶーっ!」
そこにあったのは、空手部大将、
百地瑠々
(
ももちるる
)
のお着替えシーンであった
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