ハーメルン
キグル・ミッミ ~着ぐるみの聖戦士伝説~
〈4〉


「とにかく敵情視察してみるさ」

 まぁ、それだけが理由では無い。一応、彼女は「姫」なのだ。
 姉の予備でしか無いが、立場上、戦場へと気軽には出かけられない。万が一、身の上に何かが起これば大問題となる。だから、後方の陣幕に座っているか、厳重な護衛に伴われた戦場視察しかやらせて貰えない。
 それがいつも不満であった。オーラ・バトラーに乗る様になったら、ガロウ・ラン討伐には出陣させて貰える様にはなったが、それはガロウ・ランの武器が空に届かないからで、安全性が確保された上での散歩に近かった。
 空飛ぶ《ドラウゲン》みたいな強獣が出ないと確認後、騎士ごっこをさせられている八百長なのではとも疑っている。

「ユイゲンが居ない間に何とやら、だ」
「あー、確かに会議中よね」

 親の騎士団長同様。ユイゲンも口煩く行動を制限するだろう。なら、口が出さない内にさっさと行動するに限る。

「それに、行くのはあたしだけじゃないさ」

 新しいオーラ・マシンをチェックしていたミッミが顔を上げた。

「見せて貰うぞ、聖戦士!」」


〈続く〉

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