宇宙人。
ふははは、ともう一度笑って見せる俺。
だってこんな小学生の見栄っ張りみたいな発言、信じる方がどうかしてるだろ。
おそらく、売り言葉に買い言葉。
ロリと言われて頭にきた少女が、適当に反撃に出た結果だろう。
俺より年上だというのも宇宙人だというのも真っ赤な嘘。
とりあえず、この子は交番にでも届けて家族を探してもらおう。
なんて、現実的な対処を考えていると。
「むううう……裸までみせたのに信じないなんて……!」
なにやら、少女が拳を握って威嚇を始めた。
大気がビリビリと揺れて、平衡感覚が失われる。
それから、俺の体は宙に浮かび上がり……あっ、ちょっと待て!
なぜか、着ていた服をはぎ取られていく。
何だこれ……超能力⁉︎
それとも、まだ悪夢の続きを見ていたのだろうか。
考えている間に、既にパンツまで脱がされてしまう俺。
パンツまで脱いで、フルチンになったところで――
「えっへん、これでわたしが宇宙人だって認めてくれる?」
と、オーバーオールロリが無い胸を張る。
しかし、たまげたもんだ。
今朝はレベルアップと空中浮遊なんていう、おかしな現象を二度も体験してしまった。
が、しかし!
俺はこれが現実だとは思ってないからな!
だっておかしいだろ?
このロリの存在だって意味がわからないのに、意味のわからない現象が立て続けに起こってる。だとすると、これは夢だと初めから割り切って楽しんだ方が賢いんじゃないだろうか。
だから、俺はロリに告げた。
「うん、認める認める。だから服を返せ」
しかし、ロリ側は俺の適当な態度が気に入れなかったようで――
「うわ! なんかムカつく!……このまま服返さずにここに警察呼ぼうかな!」
「ごめんやめて信じるから認めるから俺を犯罪者にしないで――!」
……国家権力を味方につけたロリは、なによりも強いのかもしれない。
*
「まったく……おへそがない時点で察してよ。生まれ方が違うってさ」
場所は変わって、我が家のリビング。
服を着た俺は、少女から大事な話があると言われてお茶を振る舞っていた。
「悪かったよ、すぐに信じなくて……。でも、こんなこと現実にあるとは思えなかったからさ」
軽く頭を下げて、謝罪の言葉を口にする。
すると少女はお茶を一口飲んでうなずいた。
どうやらそれに関しては許してくれたらしい。
家族四人の食事に使う、大きめのテーブルを挟んで二人。
普段生活を送っている日常の風景に異常が混ざっていることが、何となく恐ろしい。
……でも、こいつが宇宙人……ねえ?
どう見ても人間の小学生にしか見えないが、あれだけの力があるんだ。
さっきは脅されて信じるフリをしたけど、冷静に考えるとおかしな話ではない。
宇宙は広大。分かっていることよりも分からないことの方が圧倒的に多い世界。
ならば、地球人に似た生命体が暮らしている星だって。
こうしてロリっ子が俺よりも長生きな星だって、あっても何ら不思議はない。
そんなふうに、宇宙に想いを馳せていると。
「……フカ」
少女が、ゆっくりと話し始めた。
さっきは突然話し始めちゃったから、と自己紹介をし始める。
プロフィールをまとめると、こうだ。
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