完全理解!! 未来に託せばアフターカーニバル!!
生徒会室での秘密の女子会は終わり、僕は当初の予定通りに白神ちゃんと一緒に下校する事になった。
天王トウカはまだ仕事があるそうで生徒会室に残るらしい、働き者な椅子だ。
そして、すっかり夕焼けに染まった帰宅路で、僕はトリップ気味の白神ちゃんに理想のウエディングプランを延々と聞かされ続けている。
「やっぱり私はウエディングドレスが素敵だと思うけど……トウヤ君はもしかして白無垢の方が喜んでくれるかなあ? どう思うマモコちゃん?」
いや、白無垢を好む小学5年生は相当レアだと思うが、ここは白神ちゃんの望む答えを返そう。
「希望すればどっちも着られるプランもあるから両方でいいんじゃない? 白神さんならどっちも似合うと思うわよ?」
まさかソウルメイクアップの為に学んだ女の子知識がここで役に立つとは、ゼク○ィを読んでおいて助かったぜ!
「両方!? す、凄いよ! 欲張りで素敵なプランだよ! マモコちゃん凄いなあ、発想が大胆だね?」
「そ、そうかしら白神さん?」
「ヒカリって呼んでよマモコちゃん! 私達はもう友達でしょう?」
なんか凄い好感度稼いじゃったぞ? チョロ過ぎない?
「分かったわ、えっと……ヒカリ?」
「そうそう! それでいいよマモコちゃん!」
うーん、めちゃくちゃ無垢な笑顔。トウヤ君が絡まなければ良い子なんだろうな……名前を呼ばれてはしゃぐ姿は年相応だ。
そして、話題はウエディングプランから結婚後の家族構成にまで発展し、僕の帰宅路の途中にある白神家に到着するまで途切れる事なく続いた。
トウヤ君の理想の子供の数なんて僕は知らんよ? たまご○ラブとひよこ○ラブも読んどいた方がいいかな……お小遣いで定期購読するか。
「マモコちゃん、これを持ち帰ってお家の人と食べて? 白神庵本店名物のどら焼きだよ」
「ありがとうヒカリ、家にはどら焼き大好きな居候が居るからきっと喜ぶと思う。ありがたく頂くわね」
別れ際に和菓子屋の娘らしいお土産を貰った。おお、8個入りのやつだ。こりゃあ今度お礼しなくちゃいかんね。
「ああ、ヒカリ。一つだけ聞きたいのだけれど……さっき生徒会室で言っていた田中マモルがどのクラスなのか知っているかしら?」
「え、田中マモル君? あの子は確か……4年4組だったはずだよ? あまり学校に来ないから数える程しか見た事ないけどね」
4年4組? ひとつ下の学年……なんか妙な予感がする。マイファミリーが絡んでる気配がビンビンだ。
「じゃあまた明日ね! 明日こそみんなで町を案内するから楽しみにしてて!」
「ええ、また明日。楽しみにしてるわ」
ふぅ、転校初日は、成功と失敗が半々かな? クリアした課題もあるが、懸念事項も増えた、
でも、ヒカリちゃんという友達が出来た。ちょっと利害関係が絡んではいるが……まあきっかけはなんでもいい、友情ってのはゆっくりと育まれるものだ。とりあえずは良しとしよう。
ヒカリちゃんと別れて帰宅路を行き、自宅へと到着する。
今日はイベントが多くて疲れたな、玄関のドアを開けて自宅へと入り、ソウルメイクアップを解除する。
やれやれ、家の中でしかマモルに戻れないのは辛いよ、女の子は大変だね。
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