オレ…だと…!?
──こらアカンわ。
ボクは隣で黙ったまま画面を見つめる藍染隊長を盗み見る。
今は静かやけどいつ爆発するか分からへん。
何せ、愛しの妹ちゃんが見ず知らずの人間を助け、あの志波一心と一緒にいる事が確定。
いやぁ、アカンやろ。
「ふふっ、ふふふふふ」
わ、笑っとる……。
えらい怖い笑い方してはる。
「あ、藍染様」
東仙隊長も恐る恐るといった様子やし。
無理あらへん。
ボクかてこの藍染隊長に話しかけるんは恐ろしいわ。
「何かな、要」
「いえ、その……那由他様に関しては、今後どのようにするおつもりで?」
「そうだね」
思わずゴクリと唾を飲み込んでまう。
ピリッとした空気が場を支配し、
「好きにさせよう」
予想外の藍染隊長の言葉に一瞬ポカンと口を開けてもうた。
「よろしい、のですか?」
「ああ、構わないとも」
「何故か、お聞きしても?」
東仙隊長にとっても予想外やったらしい。
ボクも後学のために聞かせてもらいましょ。
「黒崎真咲は人間とは言え、滅却師、死神、虚の三つの力を持っている。更に言えば那由他の力も混じった。もしかすると、“欠片”が混じっている可能性がある」
まあ、確かにごっつ珍しい存在になりはったんや。
藍染隊長が興味を引かれるんは分かる。
せやけど、
「その、時々言うてる“欠片”ってなんですか?」
少し探りを入れてみましょ。
どうせ煙に巻かれるやろうけど、あないなもん見せられて、ヒントぐらいはもらわな割に合わんわ。
誰も彼もが那由他ちゃん、那由他ちゃん。
えらい気持ち悪い。
ただ自分の好き勝手動いとるだけですやん。
何であの滅却師の女の子を助けたんかは知らんけど、どうせ碌でもない事に使うんやろ。
虚の食べ方教えたんは藍染隊長やけど、普通の精神しとったら自分の中に虚を取り込むなんて嫌悪感の方が強いはず。
それを躊躇なくしはるんやから、もうバケモンやで、あの人の精神。
どういう頭しとったらあないな事した後で被害者と平気な顔して会えんねん。
まあ、昔から知っとったけど。
[9]前話 [1]次 最初 最後 [5]目次 [3]栞
現在:1/11
[6]トップ/[8]マイページ
小説検索/ランキング
利用規約/FAQ/運営情報
取扱説明書/プライバシーポリシー
※下部メニューはPC版へのリンク