ハーメルン
ピーターパンしてたら世界が変わってた
10.暴かれる陰謀




「ここがアラバスタか…」

「突然ピーターが来るなんて連絡があったからビックリしましたよ。一体どうしたんです?」

「いや、何か確信があって来る事にしたわけじゃないんだ。ちょっと気になるというか、モヤモヤしたものがあってね」

アラバスタへと到着した俺たちは、この国に住む仲間に迎えられていた。

反乱だとか物騒な単語を聞いていたから国中が殺伐とした雰囲気に包まれているのかと思っていたが、思っていたよりも町は賑わっているようだ。
無関心というわけではないだろうが、そこまで国王などを敵視しているようにも見えない。

お店で食事をしながら働く人たちに話を聞いてみても「あの国王様がそんな事をするのかねぇ?」などと半信半疑といった具合だった。
そういった話を聞いてみるだけでも、国王が権力を振りかざしたり悪政を敷いたりしていないことがわかる。

これでもし雨を奪ったのが事実なのであれば、恐らくだが国王が脅されたりしている可能性が高いのかもしれない。

食事と情報収集を終えて、新しい報告もあるからとこの国に長くいる仲間の家に招待されたので向かい報告を聞いていく。
ちなみにこういう場合でも自分たちの活動(子供たちの救済)の場合は暗号を使うが、今回はこの国の現状に関する情報なので暗号は使わない。

「ピーター。どうやら仲間たちで調査した結果、いろいろと新しい情報が入ってきた」

「ああ、内容を聞かせてくれ。俺がわかっているのは国王が雨を奪い、物的証拠もある。それによって国民が反乱を起こし、そして七武海が旗頭になっているということだ」

「今この国で水面下で動いている集団がいることがわかった。規模などはわからんが、どうやら国王軍の中で裏切り工作をしたり国民を扇動したりしているらしい」

「それは確かなのか?」

「間違いない。俺たちの仲間にも勧誘があったようだ。船旅をしながら賞金稼ぎをしていた仲間に声がかかり、そしてアジトがこの国にあるということだった。そいつらが言うには、理想国家の建設がなんとかとか言ってたみたいだな」

「…それで?」

「その時は断ったらしいんだが、そんなに間を空けずにこの反乱騒ぎだろ?俺たちだって住んでいるこの国を荒らされたくない気持ちもある。だからそっちにも仲間を潜り込んで調査してもらっていたんだ」

仲間からの報告はまさかの内容だった。国王への不満や不信が原因で反乱が起こっているのも確かなんだろうが、そこに扇動する者たちがいるとは…
だが反乱軍へ参加するように扇動しているということは、当然反乱軍が勝ってほしいということだよな。

反乱軍が国王を打ち倒したとして、一体誰が得をするんだ?王制から民主制にしたいのか?

だが国王が善政を敷いている国で、わざわざ革命を起こしてまで民主制にする必要があるようには思えないんだが…
今革命軍がやっているような、国民を顧みないような君主を打ち倒すためなんだとしたら反乱軍が勝って欲しいために水面下で工作するのも頷ける。が、今回は当てはまらないはずだ。

だとしたら大臣みたいなのが国王の座を狙ってるとかもあり得るのか。
それか、俺の勝手な思い込みだから考えないようにしていたが、クロコダイルの立場ならそれもあり得るんだよな。

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