EP9「武蔵がピンチです!(前編)」
そして次の日‥、2隻は聴取及び機関始動までの時間付近の諸島で過ごすことになった。
「それ!(バシャ!)」
「このぉ!(バシャ!)」
「隙あり!」
近くの砂浜では水着姿の大淀、晴風乗員が水浴びをしていたり、甲板ではカードゲームなどをして思い思いに過ごしていた。
「全く‥‥、昨日のやつでがあるのによく元気に過ごせるよなぁ‥」
そんな呑気な乗員を見つつため息を吐くましろ。あのあと学校に出す報告書の作成を乗員一同で取り掛かっており、疲労困憊なはずなのだが‥
「まあ、今までゆっくりできなかったからな‥無理もないか‥(キョロキョロ)ん?そういえばそっちの艦長さんはどうしたんだ?」
ふと、キョロキョロしつつ春香の居場所を尋ねるましろ。そう言われて、焔もキョロキョロしつつ艦長がいないことに気づく。
「そういえば‥どこいったんだろ」
「あれじゃない?事情聴取とか?」
「確かに‥」
「あの‥平賀さん‥、どうして私もここで一緒に聴取を?」
大淀クラス教室で、春香、千景、小野瀬が平賀と福内の聴取を受けているようだが、なぜ自分もなのかと不満そうな表情を浮かべている春香。
「こちらの不手際といえ、隊員制圧を最終許可をしたあなたもちゃんと、聴取は受けてもらいます。」
「うぅ‥、確かにそうですが‥」
福内に正論をきっぱり言われ、何も言い返せず少し項垂れている春香。その様子を見つつ、平賀が小野瀬に質問。
「小野瀬さん‥もう一回聞くけど‥、なぜ攻撃したのか覚えてないのね‥?」
「はい‥」
「‥‥。春香さん、小野瀬の普段はどんな感じですか?」
少し考えて、今度は春香に質問をする平賀。自分に聞かれたため、先ほどの項垂れが嘘のように切り替わる。
「すごくおとなしい性格です‥。空いたときとはよく本を読んでますし‥、例の件は嘘のように性格が変わってました‥。」
「なるほど‥」
「平賀さん、やはり小野瀬さんのプロフィールでも同じように書かれています。」
つけたすように、福内が資料を見つつ伝える。それを聞いた平賀は再び考え込む。
「‥覚えてないのなら無理に聞く必要はないわ‥実際、この子が攻撃的なる方がありえないんだし‥」
冷静に、なおかつ的確な分析をする千景。それを聞いて平賀も意を決する。
「そうね‥、嘘は言ってるようには見えないし、無理に聞く必要はなさそうね。わかったわ、聴取を長くしても疲れるだけだし、この辺にしましょうか。必要な聴取はあらかた取れたし」
「ですね、じゃあそろそろ終わろうかしら。お疲れ様」
「あっ艦長に二人とも〜、お疲れ様です〜」
聴取が終わり、3人と平賀、福内が甲板に戻ってくると艦橋の乗員が出迎えに来ていた。
「おっ、みんな〜」
「聴取疲れたぁ‥」
「いろいろ絞り取られたねぇ‥()」
少しげっそり、特に春香と千景はこれでもかというほど絞り取られたため、疲れているのが見て取れていた。
「あっ♪ハルちゃん〜」
少しすると、岬が駆け足でやってくる。そしてその声に気づいたのか信三もやってくる。
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