爆発音の後、海漓達の目の前に現れたのは2つの人影
それは最も待ちわびた増援とも言える
「皆、大丈夫?」
「随分と派手な戦闘ね」
叶星と高嶺、二人がこの場に現れた事に戸惑いや驚きの反応があるが海漓は違う
これだけの数のヒュージが出たのだ
会議が終わってから知ったのか、会議を抜け出して来たのかは定かでは無いがとにかく神庭の上級生が慌てて駆け付けてきたのであろうことは予想できる
海漓が想定していたよりも早かったのは嬉しい誤算でもあるが
二人が来たとはいえ状況は悪いまま
更に言うなら先程まで海漓が相手をしていた特型ヒュージは不利と悟ったのか撤退し、それを守るかのように小型が集まってきた
そしてこれらを見ていた叶星は一年生に対して
「皆は下ってて。残りは私が片付けるわ」
「そんな‥ひめか、まだ戦えます」
「わ、私もです!」
「僕もいけるよ☆」
後退するように指示を出すが、ニュアンスは違えど全員が戦えると答える
勿論マギの残量や体力的に限界が近いのは気がついているが、自分達はトップレギオン
下がれといわれてハイそうですかと素直に納得するほど情なくないという意志であろう
しかし、叶星は許可を出さず下がるように指示する
全員のマギと体力の低下を考慮しての判断だろう
高嶺は反対しているがこれに関しては叶星も引く気がないらしい
海漓にしてみれば特型は仕留めきりたいのだが自身のマギやCHARMの状態を考えるとかなり厳しい
「(意気込んだは良いけどペース配分ミスってリリーフに任せた投手の気分だなこりゃ)」
内心そんな事を考えつつ親機で小型ヒュージを牽制しつつ一年生達と合流
すると姫歌は
「海漓!大丈夫なの!?」
「んー、まぁ何とか。悔しいけどここは先輩たちに締めてもらいましょ」
そう語りかけて来たため何でもないと告げる
そうしている間にも叶星はヒュージに追撃をしかけるが海漓の目には何かがおかしく映る
「(確かに逃したくはないけど何を焦ってるんだろう?もしかして二人もマギがキツい?)」
動きは切れているしヒュージを圧倒するのだがどこか無茶をしているようにも見えるし、判断も良くないように映る
そうしている間にも叶星を取り囲むように小型ヒュージが集まってくるが、それを見た高嶺が自身のレアスキル、ゼノンパラドキサによる高速移動からの強力な攻撃で一層する
「凄い凄い☆」
「高嶺様…流石です!」
二人は驚愕と感激しているが、どうにも喜べる状況では無い
小型を一層出来たものの肝心のダメージを与えた特型は取り逃がしてしまう
レアスキルを考えたら高嶺が引き継いでもいいのだろうが肝心の高嶺も小型を一層した後、突如地面に膝を着いてしまう
それに気づいた叶星も追撃をやめ、高嶺の元に向かう
何を話しているか、までは聞き取れないが叶星は相当焦っているようにも見えた
とはいえこの結果には不満しか残っていないのも事実
この光景を見ていた海漓は
「マジか…こんなのブラウンセーブじゃん…厳しい状況で投入する事になっちゃった私達にも責任はあるけど…」
「海漓…?」
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