ハーメルン
あの子のスカートをめくりたい。
シスターのスカートをめくりたい。

とある教会。
女神像が飾られた十字架の下で、灰色の髪の毛の美少女が祈りをささげていた。
シスターの装いをしている彼女はこの教会で悩める子羊のお話を聞いたり、こうやって女神に祈りを捧げていた。

(……今回のターゲット、ミーア・セレン。さて、どのようにして……)

そして教会の椅子の傍に隠れている男が一人。

(彼女のあのシスター服のスカートをめくってやろうか)

清純な教会の中で、キリアのシスタースカートにばかり目を向け、教会に似つかわしくない不埒なことを考えていた。


「ふぁ」

仕事も終わり、明日からは休日。
正直な話、会社の仕事自体はイヤではないがプロジェクトなどを任されるような立場に昇進したりする見込みがない。
まあ中途半端に偉くなっても上からも下かも突かれるだろうから、平社員という立場が一番気楽なのだが。

「さてと」

そして明日から休日ということで、趣味の読書に時間を費やすとしよう。
元々漫画の中に潜り込める能力ということで漫画を買い込むようになったのだが、いつの間にやら漫画本を読むことそのものが結構楽しみとなってきている。
まあ物が物なだけに相当かさばるのだが、電子書籍と違い、これはこれで味がある。
ちなみに電子書籍の場合に俺の能力は発動しない。
だからこのまま時代が進み電子書籍以外の漫画が無くなる時代が来たら……まあそんな時代は遠い未来だろう、きっと。


「……おっ」

そして漫画を読みふけるうちに、目を引く女性がいた。
その名を『ミーア・セレン』。
幼いころに事故に遭い、教会に拾われたことで小さいころからシスターとして働いている。
本来なら女子高生ぐらいの年齢で青春を謳歌しているだろうに、シスターとして世間とはあんまり関わらない生活をしている。
だが神父の趣味なのだろうか、シスター服としてはスカートの丈が少し短い。
本来のシスター服は足元まで綺麗に隠されているが、ミーアが着ているシスター服は膝よりちょっと上のスカート丈をしている。
だが彼女自身小さいころからシスター服を着てるから特に疑問には思っていないようだ。

「……よし」

そして、『スカートめくり』のターゲットを彼女に定めた。
本来青春を謳歌してるであろう年頃のミーア。
清純なシスターである彼女がスカートをめくられた時、どんな反応をするか。

躍る心を抑えつつ、早速漫画の世界の中へとダイブしていった。

俺が到着したのは教会の真ん前。
毎度思うが、目的地を定めておくと確定して目的地の前にやってこれる仕様は便利だと思う。
そしてミーアはこの教会の中にいるのだろう。
さて、教会の中に他に人がいたら少々面倒だ。
だが、考えるのは教会の中でも出来るはず。


「失礼します」

思わずそんなことを言いながら教会の扉を開く。
だが、誰もいない。
十字架の上の女神像だけが俺を出迎えてくれた。

「……留守かな?」

留守だとしたら、鍵もかけずにいるのは不用心だろう。
そう思いつつ、教会の中を見学してみる。
にしても、現代日本ではこんな教会なんて中々見ないからなぁ。
ちょうどいい、スカートめくりをする前に見学でもしてみるか。

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