ハーメルン
好き勝手準備後自滅した神様転生者のせいで全方位魔改造されるけど、おっぱいドラゴンが新たな仲間と共に頑張る話 旧名:ハイスクールL×L 置き土産のエピローグ
三勢合一編 第五話 模造の魔獣


 だから、俺は急いでへたり込んでる女の人の方を担ぐと、そのまま後ろを気を付けながら避難する。

 横乳がぁああああああ! 落ち着け、今鼻血が出たら出すぎて失血で倒れる! そしたらマズイ!

「と、とりあえず離れよう! ここは流石に危ないし―」

「いえ、大丈夫です。貴方こそ離れてください」

 と、お姉さんがそう言い返した。

 いやいや、体を持った感じだと、特に鍛えられてるって感じでもないぞ。

 こんな体であんな激戦に巻き込まれたら、本当に危ないからね!?

「いいから! こんなところにいたら、お姉さんほんとに死にますよ!?」

 いやほんと不味いってあの戦い。

 三人とも周囲に被害が出ないように立ち回ってるけど、それでもちょっとかすめただけでコンクリートが吹っ飛んでる。人間が触れたら不味いって。

 あんなの、一応悪魔の俺だって死ぬ。だからここから離れないと―

「私は一日程度で消えますし、それに既に死んでます」

 ―え?

 そのお姉さんが言ったことに、俺はちょっとぽかんとした。

「サーヴァント……と言っても分からないでしょうが、私は過去生きてそして死んだ人間の残影……コピーと言ってもいいです。依り代となるマスターが死んでしまったので、特性上一日は持ちますが、それで終わりです」

 お姉さんはそう言うと、俺を安心させるように微笑んだ。

「だから、私が消えてもあなたが気にすることはありません。すぐに逃げて―」

「―いやどうでもいいからそういうの!」

 よく分からないけど、俺はとりあえずはっきり言う。

 ああ、俺はサーヴァントとか言われても分からない。

 なり立ての悪魔だし、結構馬鹿なところもある。だから、難しいことを言われてもよく分からないってのが本音だ。

 だけど言えることは一つだけある。

 ああ、決まってる―

「死ぬのは怖いに決まってる。一度目も二度目も関係ない! それに、そんな顔してる女の人を見捨てるような奴が、ハーレム王になれるわけがない!」

 ああ、それだけ分かってれば十分だ。

 だから、俺はお姉さんを離さない。

「だから、お姉さんを見捨てるとかしないんで、お姉さんも諦めないでください!!」

 こんなところで女の人を、それも自分より俺のことを優先する人を見捨てたら、部長にもアーシアにも仲間達にも顔向けできない。ハーレム王になるなんて言えるもんか!

 だから、俺は急いで走り出し―

『相棒、上だ!』

 ―ドライグの焦った声に、慌てて飛びのいた。

 お姉さんも抱えて飛びのけるとか、俺も鍛えてるんだよなぁ。

 そんなことを思ったのは、目の前の脅威が滅茶苦茶ヤバい奴だっていうことが分かったからだ。

 色は何というか紫色。そんな明らかに悪者っぽいカラーリングで、今カズヒ達が戦ってる赤と白にそっくりな鎧が、こっちに襲い掛かってきてる。

 しゃあねえ、やるしかねえよな!

「ドライグ! 右腕差し出すから、頼むぜ!!」

「――待ってください! 何をする気か分かりませんが、浅慮はいけません!」

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